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「2人の関係は理解しているが…」筒香嘉智の“横浜高校の同級生”が、筒香が移籍してもレイズに残って“大活躍”しているワケ 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2022/04/01 17:03

「2人の関係は理解しているが…」筒香嘉智の“横浜高校の同級生”が、筒香が移籍してもレイズに残って“大活躍”しているワケ<Number Web> photograph by 本人提供

メジャーリーグ・アシスタントとしてレイズで働く佐野誓耶さん。横浜高校の同級生・筒香嘉智とともにレイズに来たが、筒香が移籍しても佐野さんはチームに残った

 今年で42歳になるクルーズは、昨シーズン途中にミネソタ・ツインズからレイズに移籍。2チームでシーズン合計32本塁打を放って、通算本塁打数は449本を数えるスラッガーだ。昨オフにはワシントン・ナショナルズと契約して、佐野にとってはわずか半年余りの付き合いとなったが、メジャーで長年プレーし、成功する選手の風格はやはり特別なものだったという。

「本当に紳士で、どんなに打てない日が続いても、クルーズが人間的に変わることは絶対になかった。彼を見ていて、あれだけ感情の起伏がなく、気持ちをコントロールできることが、メジャーで成功するための1つの条件なんだなと思いました。そこは筒香選手も同じで、そういう姿は若い選手にもいい影響を与えているなと思いますね」

2020年の筒香のレイズ移籍で一緒に渡米

 横浜高校野球部でピッツバーグ・パイレーツの筒香嘉智外野手と同級生だった佐野は、その縁で卒業後にマネジメント会社の社員としてDeNA時代の筒香のサポート役となった。2020年の筒香のレイズ移籍で一緒に渡米。球団職員として筒香を中心にしながら、チーム全体の練習サポートも務めることになった。

 メジャーリーグ・アシスタントの仕事は主にグラウンド上での選手のサポートだ。選手の練習の準備を手伝ったり、試合前には打撃投手も務める。特に相手チームが左投手の先発試合では、左投げの佐野が打撃投手としてフル回転する。また左打ちなので内外野の右サイドのノッカーも務める。試合が始まれば、今度はベンチ裏のケージ横で待機して、やってきた選手の打撃練習の手伝いをこなす。

 もちろん筒香の練習が中心だったが、佐野が手伝うことでチームの練習が円滑に回るようなった。その様子を見て、チームが機能するために必要な存在として、ケビン・キャッシュ監督をはじめとした首脳陣やフロントスタッフも佐野を認識するようになっていった。

 しかしそんな筒香と佐野とレイズの“三角関係”に転機が訪れたのが、メジャー2年目の昨年5月だった。

 コロナ禍の中で難しい調整を強いられた筒香は、レイズでなかなか結果が出せず、5月11日にDFAとなってチームを離れることになったのだ。

【次ページ】 「2人の関係は理解しているけど……」

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