――偉大な先輩からたくさんのことを吸収しているのですね。

片平　そう思います。もともとドライバーは飛びますし、バンカーからのアプローチもすごく上手い。ちょっとした寄せるアプローチも素晴らしい。強いて課題を挙げるとすれば、50～100ヤードぐらいの縦距離の精度。シーズンオフにクラブやシャフトを替えたばかりなので、もう少し調整が必要でしょう。ただ、その他は本当に言うことありません。

――優勝の可能性は？

片平　いつ勝ってもおかしくありません。初戦から笹生選手のバッグを担いでいるキャディーのバーン・テスさんは「優花はオールラウンドプレーヤー。今季の優勝争いは世界ランク1位のコ・ジンヨン（韓国）、世界ランク2位のネリー・コルダ（米国）、笹生優花の3選手が中心となる」と断言しています。
※コルダは負傷により3月半ばから休養中

――米メディアの注目度も高いのでしょうか？

片平　かなり上がってきてますね。「ゲインブリッジLPGA」では米国ゴルフ専門テレビ『ゴルフチャンネル』でコメンテーターを務める元メジャー覇者のモーガン・プレッセルさん（米国）が、父親の正和さんへ「優花はどんなトレーニングをしているの？　あんな飛距離を出す秘訣は？」と熱心に情報収集していました。現地ファンの注目も高まっていますね。ドライバーの迫力が凄いので、笹生選手のティーショットを撮影しようとティーイングエリアでスマホを構える人たちが増えてきました。

――それでいて、親しみやすい性格。

片平　米女子ツアーの広報の方も「優花は面白いよね～」とよく話題に上げていますし、そのプレッセルさんも練習中の笹生選手に近寄って「おはよう、どう調子？」と声をかけていました。笹生選手はプレッセルさんに「そのコート、凄いキレイ！」と返していて（笑）。ティーオフ前ですから緊張感が張り詰めててもおかしくないのに、ムードメーカーのように明るいんです。プレッセルさんもずっと笑顔でしたね。

　個人的な今年の目標として、そんな笹生選手のキャラクターをもうちょっとインタビューを通して引き出せたら良いなと思っています（笑）。

――いよいよ今週は今季メジャー初戦となる「シェブロン選手権」に挑みます。前週の試合をスキップし、土曜日から現地入りしているようですね。

片平　どの試合でも上位争いできる実力がありますし、本人もメジャーに調子を合わせていくと言っていました。メジャー初戦となる「シェブロン選手権」の会場となるミッションヒルズCCは、距離が長い上に正確性のあるショットが求められる難コース。でも飛距離を出せる笹生選手とは相性が良いと思うので、注目したいですね。