Jをめぐる冒険BACK NUMBER
〈ベトナム戦は失敗?テストは持ち越し〉日本代表の新戦力候補・筆頭は奥川雅也に川辺駿 層の薄いアンカー、SBで注目したいのは…
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2022/03/30 12:00
W杯出場を決めた日本代表。本番まであと8カ月、果たして新戦力がどこまで食い込んでくるか
シュツットガルトで遠藤航のチームメイトである伊藤洋輝も面白い存在だ。左足でのキック精度に定評のある長身のセンターバックで、左サイドバックやボランチもこなせるのが魅力。22歳と若く、冨安健洋とともに未来の日本代表守備陣を担っていくタレントであるのは間違いない。
層が薄いアンカー、サイドバックで注目は?
現在、最も層の薄いポジションがアンカーだ。現状、遠藤か守田しかおらず、ベトナム戦で柴崎をテストしたものの、うまくいかなかった。このポジションで今、売り出し中なのが川崎フロンターレの橘田健人だ。ボールへのアプローチが早く、配球にも非凡なセンスを見せる。
さらに、もうひとり推したいのが、AZに所属する右サイドバックの菅原由勢だ。サイドを果敢に攻め上がり、クロスやインサイドでのプレーにも磨きをかけている。東京五輪代表候補だったが、最終メンバーから落選して涙を飲んだ。その際、A代表でのリベンジを誓っており、それに相応しいだけの活躍をオランダリーグで見せている。
大久保、阿部、川島、小野は最終予選後に……
カタールW杯は今年11月末に開幕する。
残り8カ月しかなく、最終予選が終わってから1年近くあった過去のケースがそのまま当てはまるわけではないが、最終予選後に選ばれた新顔が本大会のメンバーに滑り込んだ例は少なくない。
例えば14年ブラジルW杯でサプライズ招集された大久保嘉人は2年ぶりの代表復帰だったし、青山敏弘や山口蛍、柿谷曜一朗、大迫勇也も最終予選後に招集されている。
10年南アフリカW杯でアンカーを務めた阿部勇樹とGK川島永嗣はW杯直前にスタメンに抜擢された選手であり、98年フランスW杯に出場した小野伸二は最終予選のときにはまだ高校生だった。
11月末からの開催ということは、過去の大会と異なり、欧州のシーズンをまたぐということだ。新シーズンにポジションを掴んで上り調子でW杯を迎える選手もいれば、移籍先でポジションを奪えない選手もいるだろう。メンバーはこれから大きく変わる可能性もある。