靭帯断裂は「むしろおいしかった（笑）」スターダムの最恐ヒール・刀羅ナツコの“黒い再生計画”「みんな私の掌の上だ」《特別グラビア》

　スターダムの悪のユニット「大江戸隊」のリーダー・刀羅ナツコは、コスチューム姿で車から降りて来た。通行人はナツコに一瞬視線を投げるが、見てはいけないものに遭遇してしまったように目をそらした。

「みんなそうなんだよ」

　ナツコはそれを楽しむように、赤くペイントした顔でニヤリと笑った。

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大江戸隊で躍動するキッドは「やっぱりこっち側だった」

　昨年7月4日、ナツコは林下詩美との赤いベルト（ワールド・オブ・スターダム王座）をかけた試合中に、左ヒザ前十字靭帯断裂という重症を負った。そして長期の欠場を強いられている。最近では都内の試合会場に現れて、セコンドを務めることもあるが、復帰はまだ先だ。

「怪我した瞬間、頭に浮かんだのは『この試合どうしよう、せっかくつかんだ赤いベルト戦が……』じゃなくて、『私のいない大江戸隊はどうなるんだろう』っていうのが先だったね。ユニットのリーダーが長い間いなくなる。特にあの時は（スターライト・）キッドが大江戸隊に入ったばかりだったから、この先、どうしようかなと思ってしまった。でもそれは、今になってみると余計な心配だったな」

　ナツコがいない間も、大江戸隊は各自がやりたいようにノビノビとやっていた。

「みんなリーダーがいないことを有効に使っているよ。これまでは発言するのも、ひっかき回すのも私だったけれど、いない状況が逆にプラスになった。そんな時、ずば抜けて出てきたのが、まさかのキッドだった。頼もしいよね。最初の頃はキッドの悩んでいる姿も見ていて、相談も聞いていたけど、最近はヒールが板についてきたな。なんで今までベビーフェイスやっていたの？　オマエ、やっぱりこっち側だったんだろう。私、間違っていなかっただろう（笑）」

負傷欠場中ながら、セコンドから大江戸隊をアシストする刀羅ナツコ

　ナツコは他の大江戸隊のメンバーについても語り始めた。

「キッドばかりじゃない。他の大江戸隊のメンバーも私がいない間に成長したよ。琉悪夏はフューチャーのベルトをずっとほしいと言っていたのが、現実になった。私はまだ松葉杖をついていた時だけど、それを配信で見ていた。琉悪夏は表に出るのが得意な子じゃなかった。でも、ベルトを取ったことで変わってきた。SWAのベルトにも興味を持ったし。（鹿島）沙希もそう。SWAのベルトに2回チャレンジした。昨年10月の代打の朱里戦、今年2月のテクラ戦、取れなかったけれどベルトに対する思いが増してきたのかな」

　さらに、大江戸隊で特異な個性を放っている中学生の吏南（りな）をナツコは褒めた。4月から高校生になる吏南は、3月26日の両国で姉・羽南のフューチャー・オブ・スターダム王座に挑む。

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