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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
靭帯断裂は「むしろおいしかった(笑)」スターダムの最恐ヒール・刀羅ナツコの“黒い再生計画”「みんな私の掌の上だ」《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/03/24 17:00
スターダムのヒール軍団「大江戸隊」を率いる刀羅ナツコ。昨年7月のタイトルマッチで故障した左ヒザも、順調に回復してきているという
「吏南はここ最近、急激に伸びてきて、どの試合も相手が誰でも全部吏南の空気になる。レフェリーには『クソジジイ』、対戦相手が1歳でも上なら『クソババア』、お姉ちゃんの羽南にも『うるせえ』って(笑)。若いから私のようなヒールは望んでいないけど、会場を吏南の色にしている。それくらい吏南は面白いよ。『今日の試合、誰が一番面白かった?』と言われたら、結構な割合で吏南になっちゃうね」
クイーンズ・クエスト(QQ)を裏切って大江戸隊に加入し、“ブラックピーチ”に変貌した渡辺桃にも触れた。
「桃は白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)の最多防衛記録(13回)も持っていて、『5★STAR GP』でもいい成績を残している。でも、いつも誰かの陰に隠れている。誰かって明確な存在がいるわけじゃないけど、そういう印象だった。大江戸隊では遠慮しないでやってほしい。QQでストレスを抱えていたんだったら、ここでは自由にやればいい。QQは桃がリーダーだったけれど、林下詩美がドーンといた。タッグを組んでも、今日のAZMがどうのと言われてね。そんな殻を破りたくて大江戸隊に来たんなら、今のポジションじゃなくて、もっと上に立てるよ」
復帰の目安は「8月か9月」、負傷した足の状態は…
ナツコの復帰がいつになるのか気になっているファンも多いだろう。試合のセコンドにつくようになったので、一部では早期の復帰を期待する向きもある。
「術後1年というのを目安に考えると、手術したのが8月の終わりだったから、8月か9月かな。気持ち的には『5★STAR GP』には間に合わせたい。医者に言われたんだよ。絶対に無理しないでほしいって。プロレスラーは負傷中でも、いつも怪我するような仕事をしているから、どうってことないようにやってしまうからね。いきなり走ったりしないように、それはすごく危険なことなんだ、って。靭帯が一度切れて、それをつけ直した足は赤ちゃんみたいなものだから、再断裂しない努力とトレーニングをしなさい、と。左足をかばって、今度は右足をやる場合もあるだろうし、もしかしたら手をやる場合もあるし。まあ、それはみんな一緒だから、気にしないけどね」
欠場は長引いているが、ナツコは強者としての余裕と自信をのぞかせた。
「ベルトを持っていなくても強いヤツは強いのに、持っていないとああだこうだと言われてうるさいからな。なんならスターダムに無駄にたくさんあるベルトを全部集めてやるよ。全部ね」