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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
靭帯断裂は「むしろおいしかった(笑)」スターダムの最恐ヒール・刀羅ナツコの“黒い再生計画”「みんな私の掌の上だ」《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/03/24 17:00
スターダムのヒール軍団「大江戸隊」を率いる刀羅ナツコ。昨年7月のタイトルマッチで故障した左ヒザも、順調に回復してきているという
クマのプーさんみたい?「意外な好物」とは
ナツコは自慢の84キロという体重をさらに増やすために、やっていることがあるという。
「できるだけ空腹の時間を作らないために、1日5回は食べる。合計で3合の米と肉。野菜は嫌いだから食べない。今度、機会があったら白米大好きの渡辺桃とどっちが食べられるか、勝負したいな(笑)。負けないよ。自信あるから。野菜抜き食べ放題だ」
また、主食ではないが、意外なものが好物だと打ち明けた。
「はちみつが好きなんだよ。ヒマさえあれば舐めてるね」
はちみつのビンを嬉しそうに抱えて、スプーンではちみつを舐めている刀羅ナツコを想像してみてほしい。まるでクマのプーさんのように……。お気に入りは糖度の高い、かなり高級なはちみつのようだ。
「ヨーグルトに入れたりパンに塗る時もあるけど、やっぱり直接舐めるのが最高だな」
さすがのナツコも、1回に1瓶丸ごとを舐めきる疑惑は否定した。
巧みなマイクのルーツは深夜ラジオ
気の早いファンはナツコが復帰した時の大江戸隊について、さまざまな想像を膨らませている。
「桃を勧誘した時もそうだけれど、キッドが前に前に出るようになった。私が戻ったら、キッドが対立するんじゃないかと巷では言われているみたいだね。それも面白いんだけど、忘れて欲しくないのは、キッドが大江戸隊にいるのは私がキッドに勝ったからなんだよ。まあ私が負けることはないから、いつでも勝負に来ていいけどな」
スターダムの選手の中でも、ナツコは特に話がうまいと評判だ。
「プロレス界に入る前に、よく深夜ラジオを聴いていたんだよ。ラジオって言葉だけで楽しませなくちゃいけない。それを1時間も2時間もやらなくちゃいけないわけだから、豊富なボキャブラリーとか言い回しが必要。ハガキとかあったとしても大変だよな。マイクがうまいとか言われるのは、それを聴いていたからかもな。言葉も武器になる時代だから、それを大切にするよ」
ナツコはなんでもお見通しだというように続けた。
「人ってさ、自分の好きなものを馬鹿にされたりするのがイヤでしょう。ファンの時代が長かったから、『ここ突っ込まれたらイヤだろうな』というのがわかるんだ。見ていないようで、相手の選手もしっかり観察しているんだよ。こいつすげえプライド高いから、とっさに問いかけた時にうまく返せないだろうな、とかね(笑)」
欠場していてもなお、ヒールとして唯一無二の存在感を放っているナツコ。やりたいことをやっている充実感があるから、外野の声は気にならないという。
「ああ、『ふざけんな、大江戸隊!』って? 結構じゃないか(笑)。結局みんな、私の掌の上で転がっているんだから」<羽南編へ続く>
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