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〈大物ルーキー開幕前の重圧と不安〉高橋由伸「このままで大丈夫なのか」 松坂大輔「薄っぺらい自信」…斎藤佑樹は? 

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photograph byJIJI PRESS/Sports Graphic Number(2)

posted2022/03/16 17:01

〈大物ルーキー開幕前の重圧と不安〉高橋由伸「このままで大丈夫なのか」 松坂大輔「薄っぺらい自信」…斎藤佑樹は?<Number Web> photograph by JIJI PRESS/Sports Graphic Number(2)

松坂大輔、高橋由伸、斎藤佑樹。大物ルーキーと騒がれた彼らはどんな心境で開幕を迎えようとしていたのか

「大丈夫ですよ。だいぶ慣れてきましたから」

 こう語った高橋はレギュラーポジションを獲得するとオールスター出場を果たし、シーズンが進むとクリーンナップにも定着。最終的には打率.300、19本塁打、75打点。さらには新人外野手初のゴールデングラブ賞と、一躍プロ野球の顔の1人となった。

 新人王こそ大学時代のライバル川上憲伸(中日)に譲ったものの、天才打者は1年目からキッチリと結果を残したのだ。

松坂が「早く始まってほしいな」と言ったワケ

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<名言2>
僕、早くシーズンが始まってほしいなと思っているんです。
(松坂大輔/Number468号 1999年4月8日発売)

◇解説◇
 甲子園春夏連覇を成し遂げ、鳴り物入りで西武に入団した平成の怪物・松坂大輔。

 プロデビュー戦で片岡篤史(日本ハム)のインハイをえぐる155kmのストレートで空振り三振を奪うなどの好投で初勝利を挙げたかと思えば、イチロー(オリックス)相手に3三振を奪ってヒーローインタビューで「自信が確信に変わりました」と語るなど、99年プロ野球序盤戦の主役へとあっという間に上り詰めた。

 彼に対する注目度は、前年の高橋を上回るほどのフィーバーぶりで、開幕前からスポーツニュースはトップで扱い、スポーツ紙の1面も独占するような状況だった。当時まだ18歳。いくら甲子園という大舞台でメディア慣れしているとはいえ、多少の緊張はあるはず……と思いきや、松坂は開幕直前、あっけらかんとプロ1年目の期待を語っていた。

「一軍入りも決まったし、あとは早く試合で投げたいなと思ってます。初めて一年を通しての野球を体験するんで、すごく楽しみなんです。自分で、自分のことが楽しみだという気持ちもあるんですよ」

 そもそも高卒ルーキーなら、一軍で何試合か出場できるだけでも合格点とする見立ては多い。しかし松坂は「シーズン通じて」野球をできることが楽しみと語っていた。その部分で自身に設けていた基準の高さを感じる。

 さらにオープン戦で2度、巨人相手に対戦したが――8失点、連続ホームランを浴びるなど手痛い目にあったものの「前から試したいことがあったので、それをやれただけでよかった」「ホームランを打たれたのは、全部、ここへ投げたら打たれるかなぁと思って、試してみた球ばっかりです」と話したのも新人離れしている。

【次ページ】 「プロで通用する、しないって決められるのは……」

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