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〈大物ルーキー開幕前の重圧と不安〉高橋由伸「このままで大丈夫なのか」 松坂大輔「薄っぺらい自信」…斎藤佑樹は?
posted2022/03/16 17:01
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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JIJI PRESS/Sports Graphic Number(2)
<名言1>
本当に速いボールや、本当に切れる変化球は、まだ見ていないような気がするんです。果たしてこのまま開幕して大丈夫なのか……。
(高橋由伸/Number442号 1998年4月9日発売)
◇解説◇
プロ野球開幕を前にしたこの時期、「注目のルーキー」が一軍の舞台で戦えるかはメディアの話題のタネとなる。特に大学生・社会人は即戦力として期待される傾向にあるが……世間的にも大きく注目を集めた1人は、1998年の高橋由伸だろう。
ある球団のスコアラーいわく「威圧感がないね」も
高橋は慶応義塾大学時代に23本塁打を放ち、現在も塗り替えられていない東京六大学野球記録を作った。甘いマスク、ドラフト会議で9球団の争奪戦の末に逆指名で巨人に入団した経緯、さらには松井秀喜と清原和博の「MKT砲」結成への期待……と、球界の盟主の一員となったことで注目度はさらにアップ。「由伸はどれくらいやれると思う?」との会話が高橋の耳にも数多く聞こえてきたという。
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「結果を出さなければ、何を言われることか。僕の場合、(結果を)待ってはもらえない。どれだけやれるかではなく、やらなくてはいけないんです」
キャンプ前のタイミングで、高橋はこのように決意を語っていた。そんな高橋の初フリーバッティングを見た、ある球団のスコアラーが「威圧感がないね」と評したものの、紅白戦では桑田真澄から三塁打を放つなど実力を発揮。オープン戦でも順調に調整を進めているかに見えた。
しかし1年目から活躍しなければいけない、という覚悟を持った高橋には、まだ「本物のプロの球」を体感していないのでは――という疑念があったのだろう。冒頭の言葉は、背番号24が背負ったプレッシャーの大きさを物語る。
迎えたオープニングゲーム、対戦相手ヤクルトの開幕投手は当時球界で随一の速球派サウスポーの石井一久だった。長嶋茂雄が金田正一に食らった4打席連続三振のようなデビューもあるのでは? と見る好奇の目に対して、高橋は5打席2打数1安打3四死球。天性のバッティングセンスだけでなく、ボールをしっかりと見極める選球眼も持ち合わせていることを結果で示した。