朝倉未来のツイートに返した言葉は？

　試合直後、朝倉未来は「まーこんなもんよ／まだまだ話にならんな」とツイートしている。そのことについて平本は「どうも思わないっす。俺のほうが絶対に強いと思うので。どんどん試合してRIZINの頂点を取ります。絶対あきらめないです」。

　平本はずっとこうなのだ。RIZINの頂点だけではなく、見据える先にはUFCのベルトもある。それを公言するから、笑う者もいる。負けたらなおさら、外野は言いたい放題だ。SNSにはそういう面があり、そういう人々からの反響でファイター・平本蓮の価値が生まれているのも否定しがたい。そうでなければ、デビュー2戦目のルーキーがメインを張れるわけがない。

　デカいことを言って負けたら笑われる。これからはあくまで“新人”として前座で試合経験を重ねたほうがいいかもしれない。けれど、デカいことを言うこと自体を笑われる謂れはない。

「格闘技やらせてもらってるニートなんですよ（笑）」

「俺はUFCのチャンピオンになってみせる」

　平本蓮どころか、今日からジム通いを始めたばかりの高校生にだってそう言う資格はある。以前インタビューした際の印象を言えば、平本は格闘技が好きで好きで仕方ない、純粋な夢見る若者だ。彼はこんなことを言っていた。

「僕は引退できるかどうか分かんないです（笑）。できる限り格闘技をやりたくて」

「子供の頃から格闘技ずっとやってきて、今も仕事でやってる感覚が全然なくて。自分の感覚としては格闘技やらせてもらってるニートなんですよ（笑）。格闘技の練習を義務だと思ったことがない」

「自分が魅力を出せてないヤツが、人が魅力を出すのを邪魔する資格なんかないでしょう。過程がどうでも最終的な結果がよければいい。その過程でも、目立たないより目立ったほうがいい」

　自分は出る杭になる。そう堂々と言っていた。今の彼は朝倉未来が言うように「まだまだ」だ。試合内容を見ても、鈴木千裕のほうがMMAファイターとして力があった。容赦なく書いてしまえば、平本のほうが弱かった。

　ただそれは現時点の話で、3年後、5年後の彼の姿を「どうせダメだろ」と言い切れる人間は誰もいない。少なくとも彼自身は、自分に何が必要なのかを知っている。

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