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“最高の相棒”藤井直伸（30）が胃がんステージ4を公表「聞いた時は、自分は固まってしまった。でも…」東レ・李博に響いた言葉とは
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byTORAY ARROWS
posted2022/03/08 11:02
サブに回る機会が増えたが、チームを懸命に鼓舞する李博（15番）。「ともに頑張っている」ことを伝えるために坊主頭でコートに立った
昨年の東京五輪のメンバーにも、2人は揃って名を連ねた。日本代表の中垣内祐一監督（当時）は、「李は、藤井とのコンビで生きる選手。日本の中ではもちろん一番速いクイックを打ちますけども、海外勢を相手にも、大きなブロックをかいくぐるようなコンビネーションを期待しています」と選出理由を語った。
藤井も、五輪前にこう話していた。
「李さんを最大限に生かせるのは僕しかいないのかな、と思うところもありますし、李さんもそう感じてくれているかもしれない。日本にとって大事な武器にもなると思いますし、僕自身の武器でもあるので、李さんの存在はすごく安心感があります」
李は、「藤井がいなければ、今の自分は100％ない」と断言する。
「自分は藤井のおかげでいろいろなことを経験させてもらったので、感謝の気持ちしかない。初めて病気のことを聞いた時は、自分は固まってしまった。でも藤井は、チームの優勝のためにこうして欲しい、というような声かけをしてくれたり、誰よりも優勝したいという気持ちが強いし、誰よりチームのことを考えているんです」
オンラインでミーティングに参加
藤井は入院して以降も、試合前のチームミーティングにZoomで参加して発言したり、参加できない時はLINEでメッセージを送るなど、キャプテンとしての役割を果たし続けている。3月5日の試合前にも、「パナソニックさんはすごく粘り強いチームだから、絶対に競る展開になる。競り負けないメンタル、強い気持ちを持って頑張りましょう」というメッセージが届いた。
「いつもそうやってキャプテンらしい言葉をかけてくれます。本当にすごいなと思う。藤井は優勝を絶対諦めていない。だから自分たちはそれをしっかりと受け取って、コートで体現したい。病気のことは悲しいんですけど、藤井の夢である、キャプテンとして優勝したいという気持ちがすごく自分に響いたので、今はまず藤井のために、勝利のために、自分に何ができるかというのを考えています」
