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敏腕の女性栄養士がリバプールを変えた… 名将クロップも「ワールドクラスの補強」と絶賛の食事改革〈食堂には肉の熟成庫〉
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byGetty Images
posted2022/04/05 17:00
栄養も選択肢も豊富な食事にワイナルドゥムもご満悦!?
「カフェインの粉末入り、りんごジュース」を提供するワケ
最新の科学を取り入れることも怠らない。カフェインには疲れを感じるまでの時間を延ばす効果があることから、ハーフタイムに「カフェインの粉末を入れたりんごジュース」を提供。免疫を高めるために、ブルーベリーやさくらんぼの抗酸化作用にも注目している。
伝え方も工夫している。「カフェインは中枢神経を整える。効果は3、4時間。1日3、4杯までならOK」、「レッドバナナ=ビタミンC+B6+ベータカロチン+カリウム」といった情報を黒板に手書きし、学園祭のようなノリで伝えている。
また、パーソナライズを大切にしていて、ポジション、体質、食事の傾向を考慮し、「意識的にタンパク質を多めに取って」、「より多種類のミネラルを取って」などアドバイスを変えている。
お気に入りの朝食メニューは?
モナはビルト紙のインタビューでこんな朝食を紹介した。
「私のお気に入りは、オート麦のフレークをアーモンドミルクに一晩浸けた『オーバーナイトミューズリ』。果物を入れて食べます。消化が良くミネラルが吸収されやすい。アスリートは食べ物の種類を増やすと、体内の貯蔵タンクが満たされやすくなってパフォーマンスがアップします」
未完成の選手を獲得して磨き上げるのがリバプールの方針だが、クロップにとってモナは例外だ。
「私がリバプールに来てから唯一のワールドクラスの獲得、それがモナだ」<#2、#3へ続く>