私の代表に欠かせないピースだった

「岡崎について話す時、私の口からは賛辞しか出てこない。彼はいわゆるテクニシャンではない。香川や本田のような技術はないかもしれない。しかしそのかわりに、彼にしかない強みをたくさん持っていた。アルゼンチン戦の得点のような、最後まで諦めずに詰めていく力。そして集中力。攻撃だけじゃない。サイドでは自陣にまで戻って、守備でもチームに貢献してくれた。ゴール前での嗅覚という意味ではフィリッポ・インザーギに似ているが、彼は岡崎のようにはチームに貢献しない。岡崎は、私の代表に欠かせないピースだった」

岡崎に対して全幅の信頼を置いた　©Getty Images

　当時の看板選手は香川と本田だった。長谷部に長友佑都、内田篤人もいた。しかしザッケローニはその傍らで走り続けた岡崎と、22のゴールを忘れることはない。

「唯一残念だったのは」とつけ加えた。

「岡崎をセリエAで見られなかったことだ。彼の特長は、世界で最も得点が難しいイタリアでも活きたはずだ。私にはそんな確信がある。しかしドイツ、イングランド、そして今スペインで結果を出しているのは尊敬に値する。34歳、もう若くはないが、今後の成功を誰よりも願っている」

＜オシム編、トルシエ編に続く＞