プロ野球PRESSBACK NUMBER
“森友哉を励ます会”はもう開催しなくて大丈夫? 西武・森友哉が若い投手陣に伝える先輩の教え「アカンときは『絶対アカンぞ』って」
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph bySankei Shimbun
posted2022/03/02 17:00
最下位に終わった昨季を振り返りながら、新シーズンへの抱負を語った森友哉(26歳)
中でも、チームやファンが期待するピッチャーの1人が今井だ。
昨シーズンは自己最多の8勝を挙げ、今シーズンも先発ローテーションの1人と計算されている。
今井はストレートに力があるものの、昨シーズンの与四死球が110と、制球にやや不安が残る。しかし森は言う。
「あれはあれで、今井の持ち味だと思ってます。ただ、やっぱりフォアボールが多いと球数も多くなるので本人には負担。アウトローにビッチリ投げろとは言わないので、もっとゾーンをアバウトに考えて、ストライクがどんどん取れれば、もっともっと抑えられるのになぁとは思いますね」
以前、今井の取材で完投の話題になり「完投数を増やすためにペース配分はするか」と聞いたところ「今はペース配分をしないで全力で行けと森さんに言われている」という答えが返ってきたことがある。森にその言葉の真意を尋ねた。
「けっこう何度も言ってますよ。極端な話ですけど3回で降りてもいいから『まず全力で行こう』とは話してます。調整して投げたボールで失点して、序盤に大量失点をするくらいやったら、もう、少ないイニングでもいいから全力で行って抑えていこうや、と。今井はまだ若いやないですか。『全力で行って抑えることができたら、そのあとペースを考えればええんやないの?』といつも話していました。まずは1球1球、一人ひとり全力で投げてこいとは伝えています」
一軍経験の浅い投手への声かけ
昨シーズンのライオンズは特に、一軍初登板を経験するピッチャーが多かった。
「そういうピッチャーの方が、話し合いは大事ですね。一軍で『自分がどういう特徴を出して行ったらいいのか』という部分を、まだわかっていないピッチャーが多い。昨シーズン、自分がボールを受けて感じたことは伝えたつもりです」
一軍に上がってくるピッチャーは、基本的には実力がある。ただし様々な要因で力を発揮できる投手と、できない投手とで明暗が分かれる。
「練習と同じことが試合でできるかというところで苦戦しているピッチャーが多かったかなという印象ですね。ブルペンでも、実戦をイメージしながら投げることができたら、もっと活躍できるんじゃないか。根本的に自分の持ち味が試合に生かせるよう、ブルペンから試合を意識して投げられたらいいんやないかって思っています」