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“森友哉を励ます会”はもう開催しなくて大丈夫? 西武・森友哉が若い投手陣に伝える先輩の教え「アカンときは『絶対アカンぞ』って」
posted2022/03/02 17:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Sankei Shimbun
「もう開いてもらわなくても、森友哉は大丈夫です」
2019年まで開かれていたという『森友哉を励ます会』について聞くと、森は笑いながらこう答えた。
『森友哉を励ます会』というのは、大量失点で敗れた試合のあと、秋山翔吾(レッズ)をはじめとする山川穂高ら野手数名と、増田達至、平井克典ら森にとって先輩にあたる投手陣が集まった食事会のことだ。落ち込んでいるであろう森を慰め、励まそうと開催されたいわば決起集会のようなものだった。
「これからはそういう過去の話し合いで得たことを、自分が若い投手陣に伝えて試合に生かしていきたいですね。“会”にこだわらず、そのための時間はたくさん作っていきたいです」
2022年ペナントレースの開幕を間近に控えた森に、今シーズンに向けての心境を聞いた。
厳しい言葉も、ちゃんとした評価も必要
過去の『励ます会』では、励ましの言葉と同時に、当時チームリーダーだった秋山から試合内容について相当厳しい指摘もされたようだ。しかし「厳しい言葉もときには必要」と森は意に介さない。
「それはそれでありがたいですよ。僕が投手陣に接するとき? 昨年は、抑えたときはどこがよかったのか、僕の考えを伝えましたし、アカンときは『あれは絶対アカンぞ』って、キツいことも言いました。もちろん厳しい言葉も必要ですし、ちゃんとした評価も必要だと思う。その辺は、今年も続けていくつもりですよ」
入団9年目。正捕手と呼ばれるようになって5シーズン目を迎える。年上ばかりだった投手陣の平均年齢は徐々に下がり、森より若い投手が増えた。
先発の柱と期待される高橋光成は25歳になったばかり。同じく先発の今井達也は24歳、抑えの平良海馬は23歳を迎えるシーズンとなり、20代前半の投手がずらりと顔を揃える。先輩たちに引っ張られる立場から、若い投手を引っ張る立場へ。自身の立ち位置の変化を森は人一倍、理解している。