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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
DeNAからメキシコ挑戦へ…乙坂智28歳が振り返る“戦力外通告を受けた日”「スパッと切ってくれたのも球団の愛情」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byShiro Miyake
posted2022/03/02 11:01
昨季に10年在籍した横浜DeNAベイスターズを退団し、今季からメキシカンリーグ・レッドデビルズでプレーする乙坂智
通算成績は468試合、155安打、10本塁打、打率.229。昨シーズンはわずか17試合しか出場できず、球団から契約が更新されることはなかった。この1月に28歳になったばかり。佐野恵太やタイラー・オースティン、桑原将志らレギュラーの3割打者たちに加え若手が多く競争の激しいDeNAの外野陣を鑑みればボーダーラインだったことは理解できるが、もう少し乙坂のプレーを見たいと思っていた。
「いや、すべては自分が招いた結果です。そこは反省をして今後活かしていけるかどうかじゃないですか。だから結果に対して反省はしても、後悔はありません」
真摯な表情を見せ乙坂は言うのだ。
「むしろ、スパッと切ってくれたのも球団の愛情の一つだと思うんです。まだ20代後半ですし、これからもいろんなことに挑戦できるわけですからね。長年お世話になったベイスターズには感謝しかありません」
言葉よりも結果「あいつ変わったって思ってもらえるように」
もうひとつ訊かなければいけないことがある。それは昨年6月、コロナ禍により不要不急の外出を禁止する球団ルールに違反したとし自宅謹慎処分を科せられた件だ。絶対レギュラーと誓っていた昨シーズン。一軍での出番はかぎられ、またファームの試合で足にデッドボールを受け、怪我をしている時期の出来事だった。
「心の隙はあったと思いますし、反省しています。周りの人たちに迷惑をかけてしまったことは事実ですし、応援してくれるファンの人たちにも嫌な思いをさせて、申し訳ないことをしてしまった」
乙坂という選手をずっと見てきた立場からすれば、もっと深い事情があったのではないかと言及しても、語ることはなかった。すると乙坂は、この話はもうお終いと顔を上げる。
「結局、一番は野球で結果を出すことだと思います。言葉よりも行動で示して、あいつ変わったって思ってもらえるようにしたいですよね」
<#2へ続く>
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