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「自分は本当、ネガティブなタイプなんです」DeNAのドラ1右腕・小園健太が心に刻んだ怪物・松坂大輔からのアドバイスとは 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byNanae Suzuki

posted2022/02/21 11:01

「自分は本当、ネガティブなタイプなんです」DeNAのドラ1右腕・小園健太が心に刻んだ怪物・松坂大輔からのアドバイスとは<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

昨年のドラフトで阪神と競合の末に獲得した大型右腕。出身の市立和歌山高校は益田直也選手や川端慎吾選手などを輩出した名門

 プロとして一歩一歩着実に階段を昇っている小園。春季キャンプ前には、市和歌山高でバッテリーを組み千葉ロッテに入団した松川虎生と情報交換をしていたという。思えば、普通の高校生ならばこの時期、学校の友人たちと最後の三学期を過ごしているはずだ。少しはセンチメンタルな気持ちになったりはしないのだろうか。

「入寮するときは正直、寂しい思いもあったんです。ただ今は毎日が充実しているので、寂しい気持ちよりも、野球に取り組める楽しさや嬉しさのほうが大きいですね」

 スムーズな受け答え。最近は自分の言葉でしっかりと話すことのできる若い選手が増えているが、小園の言葉にはブレがないのはもちろん理性が感じられる。

「難しいんですけど、自分の言葉で相手に伝えることは大事だと思うので、そこはしっかりやっていきたいと思います」

 言葉や伝えることを大事にするところは、エースの今永昇太と似ているようだ。

隔離生活のさなかで

 さて、高卒ルーキーとしてただひとり帯同された一軍の宜野湾キャンプ。沖縄入りしたものの、コロナを発症したスタッフの濃厚接触者の疑いがあり、一週間の隔離生活を余儀なくされてしまう。

 小園は「仕方がないことですが、気持ちが落ち込みましたね」と苦笑するも、やれるだけの準備をしていた。

「部屋でストレッチをしたり、あと人がいない時間帯に室内練習場が使えたので、目いっぱい体を動かして、1週間後しっかり付いていけるようにトレーニングしていました」

 2月7日にチームに合流をすると、翌日は三浦監督とブルペンで先輩たちの投球を見学した。三嶋一輝や山崎康晃の熱投に目が釘付けになった。

「一軍で活躍しているピッチャーの方は、一球一球気持ちを込めて、丁寧に投げ込んでいる。そういった部分は自分には足りないものだと感じました。見習いたいですし、たくさんのことを吸収したいですね」

 チームの顔である山崎と言葉を交わす機会があり、経験豊富な先輩からいろいろとアドバイスをもらった。印象に残った言葉は、やはり「焦るな」ということだった。

【次ページ】 初ブルペンはすべてストレート

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