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「自分は本当、ネガティブなタイプなんです」DeNAのドラ1右腕・小園健太が心に刻んだ怪物・松坂大輔からのアドバイスとは
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byNanae Suzuki
posted2022/02/21 11:01
昨年のドラフトで阪神と競合の末に獲得した大型右腕。出身の市立和歌山高校は益田直也選手や川端慎吾選手などを輩出した名門
「本当、ヤスさんは優しく接してくれる先輩で、いつも『ほどよくでいいんだよ』って言ってくれるんです。『いい意味で適当に』とも。とにかく自分でも張り切り過ぎないようにって」
自分を戒めるように語る小園だが、昔から自制の利くタイプなのだろうか。あるいは気持ちが掛かり気味になってしまう感情的な面を持っているのか。
「じつはやり過ぎてしまうタイプで、まわりからも『はやるな!』とよく注意を受けていました」
自分のことを追い込むことのできる人間は、それはそれで稀有な才能だが、一方で自分を抑え込むのが不得手な面もある。
「だから常に自分にブレーキをかける意識でやっています。本当、張り切り過ぎて怪我をしてしまうのが一番嫌なことですから」
初ブルペンはすべてストレート
13日には初ブルペンを経験した。首脳陣が見守るなか、16球、すべてストレートだったが、スピンの効いた糸を引くような球筋は、やはり高卒新人離れしたものだった。小園は目指すピッチングスタイルについて語る。
「基本的にストレートで勝負できるピッチャーになりたいのですが、やはり全球種が決め球になるピッチングが理想ですね」
現在、持っている変化球はカーブ、スライダー、カット、ツーシーム、シュート、チェンジアップ。十分に多彩ではあるが、状況によってはスプリットの習得も目指している。
「高校時代よりストライクゾーンの狭さを感じますが、ストレートも変化球も課題である制球力を高め、ゾーン内でしっかりと勝負できるようにしたいです。まだ変化球を投げていないのでこれからだと思うのですが、課題を見つけながら取り組んでいきたいと思います」
また宜野湾キャンプ中、昨シーズン限りで引退し、プロ野球評論家になった松坂大輔が訪れ、小園は質問をする機会をもらった。23年前に鳴り物入りでプロになった、かつての高校野球のスター選手。多くの関係者が小園に対し「慎重に」と言うなか、松坂は当時の自分のことを思い出しアドバイスを送った。