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「自分は本当、ネガティブなタイプなんです」DeNAのドラ1右腕・小園健太が心に刻んだ怪物・松坂大輔からのアドバイスとは
posted2022/02/21 11:01
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Nanae Suzuki
急いては事を仕損じる――。
横浜DeNAベイスターズに入団した超高校級ルーキーである小園健太を取り巻く環境は、まさにこの言葉に集約されている。DeNAが獲得した輝く未来を背負う逸材。背番号18を授けた三浦大輔監督は、常に小園にこう声を掛けている。
「本当に焦ることはないからな」
将来のエース候補。ポテンシャルは折り紙付きの小園を球団としてどのように育てていくのか誰もが気になるところだ。
当の小園もそこは心得ている。
「自分はまだ開幕に間に合うように仕上げるようなピッチャーではないので、焦ることなく段階を踏んで進んでいければと思います」
冷静で落ち着いた口調。まだ表情に18歳なりのあどけなさを残すものの、芯のある利発な佇まい。さすが“大物”と言われるだけはある。
プロだからこその取り組み
昨年のドラフト会議と入団会見を経て、1月に入寮。同期入団選手たちとの合同自主トレから小園のプロ生活は始まった。まだわずかな期間だが、プロとしての実感は湧いているのだろうか。
「合同自主トレのとき、ファンの方が見学に来ているのを見て、本当にプロになったんだなって思ったんです。あと高校時代と違って寝ている以外、一日中野球のことを考えられる環境は恵まれていますよね。練習のない時間はピッチングの動画を見たりしていますし、本当にレベルアップできる場所だなって」
合同自主トレでは主にフィジカルのメニューを行った。トレーナーからのきめの細かい指導にも環境の変化を感じ取ったという。
「高校のときもウェイト・トレーニングはやっていましたが、高重量を形を気にせず挙げていたんです。けど合同自主トレでは、あまり重くないウェイトで形を意識することで、普段は使わない筋肉に刺激を入れるなどして意識がすごく変わりました。最初はできなかった動作も1カ月毎日やることでスムーズにできるようになったので、そこは成長できたのかなって」