熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「アユムとホワイトの友情が…」「取材後、ホテル着が翌日の朝5時!」現地で唯一のブラジル人記者に“北京五輪への本音”を聞いた
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byDanielle Parhizkaran - USA TODAY Sports/JIJI PRESS
posted2022/02/19 11:04
日本中が沸いた平野歩夢の金メダルと、ショーン・ホワイトからの祝福。ブラジル人記者の心も揺さぶったようだ
「自分が知っている限り、これまで一人もいない」
――食事はどうしているのですか?
「朝はホテルで食べる。昼と夜は、取材場所かメディアセンターで。味? 悪くないよ。値段は、30元(約540円)から80元(約1440円)くらい。特に不満はない」
――ブラジル人選手は、選手村での生活や食事についてどう話していますか?
「概ね快適だそうだ。食事も、様々な種類があり、悪くないと聞いている」
――大会運営について、どう思いますか?
「全般的には、うまく運営されていると思う。唯一の問題が、トランスポートだ」
――どんなことがあったのでしょうか?
「今大会は競技会場が3つ(注:北京ゾーン、北京郊外にある延慶ゾーンと張家口のゾーン)があるが、郊外の会場は遠く、北京からはかなりの時間を要する。12日のスケルトン女子は延慶で行なわれ、行きは高速鉄道で快適だった。ところが、取材を終えたのが夜の11時。最終列車はその2時間前に出ており、増発はなかった。やむなくバスを乗り継いで北京まで戻ろうとしたが、便数があまりにも少ない。北京のホテルにたどり着いたのは、翌日の朝5時だった!」
――ひゃあ、それは本当に大変でしたね。平昌五輪ではそのようなことはなかったのですか?
「競技会場がソウルから近く、トランスポートも良好だった」
――大会スタッフやボランティアの対応は?
「とても親切に応対してくれている。皆、まずまずの英語を話すから、コミュニケーションの問題もほとんどない」
僕は羽生の大ファン。フィギュア男子史上最高の選手だと思う
――ブラジル人以外で、ここまで最も印象を受けたアスリートは?
「男子フィギュアスケートのネイサン・チェンとハニュウ(羽生結弦)、女子フリースタイルスキーの谷愛凌(中国)、スノーボード男子ハーフパイプのアユム(平野歩夢)とショーン・ホワイトらだね」
――羽生、チェンの演技をどう思いましたか?
「僕は羽生の大ファン。フィギュアスケ-ト男子の史上最高の選手だと思う。今大会も彼を応援していたが、故障のせいだろうね、残念な結果に終わった。優勝したチェンは本当に素晴らしかったし、銀メダルと銅メダルを獲得した日本人選手(鍵山優真、宇野昌磨)も見事な演技をした」
――谷愛凌は、中国で大変な人気のようですね?
「今回の五輪で最大のスターだね。才能と才気に溢れている。近年、中国とアメリカは政治的、経済的に対立しているが、生まれも育ちもサンフランシスコなのに中国代表を選択したことに中国人のプライドがくすぐられている部分があるのだろう。彼女には、競技以外にも、分断しつつある世界を結びつけるような役割を期待している」
アユムとホワイトの友情、そして不可解判定について
――平野とホワイトについては?