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オリンピックPRESSBACK NUMBER
平野歩夢の一番のライバルになれるか?…話題のスノボー解説者が語る“平野家の末っ子”海祝の異才ぶり「あいつはヤバいです(笑)」
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byJIJI PRESS
posted2022/02/13 17:05
日本スノーボード界に初の五輪金メダルをもたらした平野歩夢(23)。この偉業達成を、元オリンピアンで解説を務めた中井孝治はどう見たのか?
技の難度としては周りよりも劣っていましたが、それは彼が発展途上の段階で代表に選ばれてしまったから。みんなほど練習してないし、みんなが死ぬ気でパイプをやっている時も北海道に来て、僕らのところで遊んでチョロチョロしていた訳ですから(笑)。いきなり巡ってきたチャンスをものにして、19歳で五輪に出られたというのも彼の実力なのかなと。
試合後に「世界一浮いた人だよね」とメッセージを送ったら「最高でした」って返ってきましたよ。
王者となった歩夢を追いかけていく次世代の選手たち
もしその海祝が一番のライバルになった時、歩夢がどう進化していくのかは見ものですね。そうでなくとも、これまでずっと追う立場だったのが、これからは追われる立場に変わる。
歩夢のことを追っていた人はいっぱいいましたが、歩夢の中ではそんなことを気にせずに金メダルを目指して、自分の理想を追ってきたんだと思うんです。それが目標を達成して、ここからは自分でも追われる立場であることを意識するようになる。そこからまた何か変わっていくような気がします。
歩夢を追いかけていく世代では、6位になったバレンティノ・グセリ(オーストラリア)もいい滑りを見せていました。まだ16歳だから末恐ろしいです。歩夢と海祝みたいな関係が、オーストラリアだとスコッティとバレンティノになるんでしょう。スコッティの背中を追いかけながら、彼もここからどんどん力をつけてくるんじゃないかな。
エアの難度は「もう限界」…次の評価軸は?
平昌でダブルコーク1440の連続技が出た時には、難度的にはもう限界だろうと思いましたが、今度こそそろそろ限界だと思います。仮に1620が出たとしてもそこまででしょう。1620や1440がベースになるかもしれないけど、競技としてはもう少し玄人受けするものを評価していくことも必要かもしれません。