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久保建英がエメリ戦術にハメられた? “代表前の古巣ビジャレアル戦”撮影カメラマンが見た苦闘の要因〈少年ファンはユニをおねだり〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/01/25 11:03
昨季所属したビジャレアル戦に先発出場した久保建英。持ち味を見せる場面もあったものの、悔しい敗戦に終わった
相手3人を引き連れ、そこからクロスを上げたが
ビジャレアルの攻撃を跳ね返し、なんとかカウンターにつなげたいマジョルカ。しかし右サイドを攻略され、ピンチを招く場面が。それでもなんとか難を逃れました。
マジョルカはポゼッション率が低く、守備に回る時間も多くなりました。それでも久保はピッチ中央でパレホを欺くようにボールを引き出すと、守備を3人引き連れながら、またぎフェイントなどを駆使して一気に加速しました。サイドに上がってきたマフェオとパス交換をし、フリーになった久保の左足から上げられたクロスは、ピンポイントでエンディアイエの頭に繋がりましたが、ゴールならず。
久保も頭を抱えて悔しがりました。
前半終盤にかけて、徐々にマジョルカも攻撃の機会が増えてきました。その中で、久保はCKのキッカーを務めたり、ペナルティーエリアに侵入してシュートを放ったり、プレッシャーをかけにきた相手の頭上にボールを通してプレスを回避するなど、らしさを見せます。
久保はビジャレアルのゴール手前で得たFKにも、ボールの近くに立ちました。国王杯エスパニョール戦での直接ゴールのイメージもあり、久保が蹴るのではという雰囲気もありましたが、ルイス・デガラレッタが放り込んだボールはクリアされ、そこから受けたカウンターで追加点を奪われてしまいました。
ビジャレアルから見れば1点目同様、前線まで駆け上がったペドラサがゴール前でフリーになったトリゲロスへとパス。落ち着いてゴールへ流し込みました。
失点直後には、マフェオが久保に声をかける姿を捉えました。お互いがドリブルで仕掛けられるタイプのため、相手を上手く使うという意思が希薄に感じます。今後マジョルカが巻き返すために、ルイス・ガルシア監督には2人のコンビネーション確立が求められることになりそうです。
この日のビジャレアル左サイドはほぼ完璧に機能しており、特にサイドバックのペドラサは2アシストだけでなく、守備面でもミスがなく、久保のプレッシャーもものともしませんでした。
久保のユニをねだるビジャレアルの少年ファンも
ハーフタイムには、ビジャレアルファンの中に、久保にユニホームをねだる少年を発見。カタカナも駆使してメッセージを送っていました。また、ゴール裏には、たくさんのユニホームが吊るされており、近づいてみると、それぞれの選手からのサインが記されていました。
後半も久保は、引き続き右サイドで出場。積極的にボールを受け、仕掛ける姿が見られました。FKには良い位置で後ろから倒されたように見える場面もありました……。