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約3年半ぶりの世界トップ10入り…“無双”する松山英樹だけじゃない?「世界1位」に近づく日本人選手とは
posted2022/01/19 06:00
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
Getty Images
勝負のかかった最終18番パー5、フェアウェイから2打目の残り距離は244ヤード。
手には5番ウッド、グリーンの右サイドに切られたピンに対して、左からのカットボール。ピンそばをとらえたスーパーショットが、会心のイーグルに繋がって……。
あれ、なんか違う。
ああそうだ。これ、3カ月前の千葉でのZOZOチャンピオンシップでの最後のシーン。先日、「空前絶後」だとか、「歴史的」だとか、例によって歯の浮く美辞麗句を並べて表現したスーパーショットが、こんなに短い期間で“ほぼ再現“されてしまうから参ってしまう。
「世界のマツヤマ」を見せつけた18番
年は空けて2022年1月16日、場所はハワイ。こちらも日本企業がスポンサードするソニーオープンで、松山英樹は世界のマツヤマたる所以をもう一度見せつけた。
3日目に63をマークして2位に浮上するなり、最終日はラッセル・ヘンリーとの最終組でのマッチレース。5打差をつけられたハーフターンの折には、「きょうはラッセルの日」と諦めがつきそうなほどヘンリーの好プレーが目立ったが、サンデーバックナインでの攻防は、贔屓目でなくとも地力の差が出たとしか言いようがない。
1打、また1打……とにじり寄り、1打ビハインドで迎えた正規の18番パー5。ドラコン選手のような“マン振り“ドライバーショットで左ドッグレッグの曲がり角をえぐった打球は、キャリーで310ヤード超え。土壇場でバーディを奪って持ち込んだプレーオフは、ZOZOのラストホールに勝るとも劣らない驚愕の締めくくりだった。