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「大相撲という“箱推し”なんです」「千秋楽は普通に泣いてしまう」山根千佳さんの角界愛がとてつもなく深い《インタビュー》
posted2022/01/16 17:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Ichisei Hiramatsu
2022年が明けて、スポーツ界も徐々に動き出している。1月9日から大相撲初場所が始まった。力士の皆さん、寒い中ご苦労様です……という気持ちになりつつ、一番一番をボンヤリ観ている。
テレワークで家にいて、なんとなく夕方にテレビをつけると地上波中継が観られる(それも15日間連続)という環境、ネット全盛の2020年代に凄いコンテンツである。
その一方で自分の相撲に対する知識の引き出しを開けてみると「白鵬と鶴竜が引退しちゃったな」「照ノ富士、とりあえず超強いのは何となくわかる」「稀勢の里(二所ノ関親方)って解説聞いてると、こんなしゃべる人だったんだ……」レベルでしかない、超にわかである。
日本文化で言えば長らく将棋は好きだし、落語や講談なんかもバックボーンを見聞して、おもしろいなあと感じるようになった。んじゃ相撲も、深く知れば面白いんじゃないか? と思った。
なら詳しい人に聞いてみるか、と検索してみたところ、熱心な相撲好きだという山根千佳さんというタレントがいることを知った。ブログを見ると、実際に本場所を観戦されているらしい(それどころか分かりやすくその日の取組の解説まで書いている)。ならば超初心者講座ということで話を聞きに行ってみるか……。
「山根は非常に熱量を持って、相撲の魅力をお伝えできると思いますよ!」
取材依頼したところ、担当マネージャーさんからこんな文面が。こうなるとむしろ、ほぼ素人の自分が聞き手でいいんだろうか? とドギマギしながら取材現場に向かうと、山根さんは「相撲の取材とのことで、ありがたい限りです! 本来なら何時間でも話したいほどなんです」と嬉しそうに、かつ礼儀正しく話を切り出してくれた。
さあ、山根さんの深い角界愛と初心者にも分かりやすい相撲講座の幕開け……。
生まれて物心がついてから相撲を
――ということで山根さん、よろしくお願いします。本当に「ほぼ相撲を知らない」レベルの相手に話すと理解してもらえればと。
山根 いえいえ! そういった方が角界にご興味を持っていただくだけで嬉しいんです。
――そもそもですが、相撲が好きになった時期は、おいくつくらいだったんですか?
山根 生まれて物心がついてから、ですかね。私の両親、特に父がすごくお相撲が好きで、我が家では常にテレビでNHKの大相撲中継がついている環境で育ったんですよ。だから当たり前のように観ていたんです。むしろ「みんながこんな感じでお相撲さんを観ているんだろうな」と思っていたんです。
――幼少期からの英才教育ですね。