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「判定、駄目だよ。KOじゃなきゃ!」五味隆典のスカ勝ちにファンは熱狂…デビュー当時を知るカメラマンが激写した“火の玉ボーイ伝説”
text by
長尾迪Susumu Nagao
photograph bySusumu Nagao
posted2021/12/29 17:03
2005年の大晦日に行われたPRIDEライト級GP決勝戦。修斗時代に憧れた「野生のカリスマ」桜井“マッハ”速人との日本人対決で豪快な「スカ勝ち」を決め、五味隆典はライト級の頂点に立った
皇治戦では迷言も「いいキン◯マ持っているよ!」
2017年大晦日、五味はUFCからRIZINに闘いの場を移し、日本のリングに復帰した。勢いで勝る矢地祐介をKO寸前まで追い込んだ復帰戦は惜しくも負けてしまったが、翌年7月の試合では、1ラウンド2分33秒で元UFCファイターのメルビン・ギラードにスカ勝ち。
「真夏に判定は駄目だよ。KOじゃなきゃ!」
と、いつもの名調子で試合を締めくくった。
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去年の大晦日、五味は皇治とボクシングに近いスタンディングルールで対戦した。皇治は五味よりも10kg以上も軽い、K-1出身の立ち技の選手だ。試合前の舌戦で相手を挑発するのがお決まりになっている皇治は、五味に対し「昔は“火の玉ボーイ”だったかもしれないけど、今は“キン○マおじさん”」などと挑発を繰り返す。五味は挑発には乗らずに沈黙を続けた。この試合は全国ネットで生放送され、結果は五味の判定勝ち。試合後、五味は体重差をものともせずに打ち合ってきた皇治の闘争心を認め、こう言い放った。
「皇治君、おまえ、いいキン○マ持っているよ!」
もはや名言ではなく、迷言と呼ぶべきであろう。だが、そんな発言もまた五味隆典の魅力であるのは間違いない。彼はいつでも人々を楽しませようと考えるエンターテイナーなのだ。
そして今年の大晦日、五味は那須川天心のRIZINラストマッチの相手をすることが決まった。発表会見では「どうしても戦いたい人がいるんですよ。その人はね、榊原(信行)さん! 6月、やりますよ!」と、直前になってオファーを出してきた榊原CEOに「選手の気持ちを知ってほしい」とまさかの対戦要求。集まったメディアをざわつかせた。
RIZINを牽引してきた“神童”那須川天心と、PRIDEで熱狂を巻き起こしたレジェンド・五味隆典による、時代を超えたエキシビションマッチ。試合後の五味の口からは、果たしてどんな“名言”が飛び出すのだろうか。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。