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「原さんはハワイ旅行だけど、僕はパーカー」徳本一善42歳はなぜ青学大・原晋監督を慕うのか「僕らは箱根駅伝の野党なんです」 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byMutsumi Tabuchi

posted2022/01/01 11:04

「原さんはハワイ旅行だけど、僕はパーカー」徳本一善42歳はなぜ青学大・原晋監督を慕うのか「僕らは箱根駅伝の野党なんです」<Number Web> photograph by Mutsumi Tabuchi

今年箱根駅伝初出場の駿河台大学駅伝部・徳本一善監督。自身もかつては法政大学で箱根路を走り、その力走ぶりから「爆走王」と呼ばれた

「どちらかというと僕らは野党なんです。箱根駅伝からしてみれば」

 自らは出場経験はないが脱サラして監督となり、“明るく、楽しい”を打ち出して箱根駅伝に革命を起こした原。サングラスをかけて茶色い髪をなびかせて走った徳本。確かにどちらも本流とは思えない野党連合。だからこそ気が合い、駅伝よりも陸上界や他のスポーツ、政治や経済の話まで幅広く意見を交わしてきた。

 その関わりの中で、監督とはモチベーターとしての役割も重要であると気づいたのかもしれない。

「原さんは優勝した4年生に自腹でハワイ旅行をプレゼントしたりしてモチベーションを高めているじゃないですか。さすがにそれを真似はできないけど、高校生や大学生が好きなファッションブランドが協力してくれて、部員全員にその服をプレゼントできたらめっちゃモチベーションになるじゃんと思ったんです」

 その思いで完成させたチームウェアは、黒地で前面にatmosのロゴ、最後のsの字が駿河台大のロゴマークに変わった特別バージョンになっている。左袖にはアトモス、#FR2、NITRO MICROPHONE UNDERGROUND、オークリー、SOPH.、UGGの協賛ブランドのロゴが並ぶ(販売品は袖のロゴなし。購入時には誰が得をするのかわからないビックリマンシールのような徳本ステッカーが付いてくるのが玉に瑕だ)。

 加えて人気イラストレーターの田村大が描いたポスターには徳本だけでなく、16人の選手が描かれている。若い選手たちがこれを発奮材料にしてくれれば――。

 ハワイ行きの飛行機は手配できなかったとはいえ、チームウェアの背中には空を飛ぶ戦闘機が描かれている。これも徳本の着想をデザイン化したものだ。

 徳本はずっと考えていたのだという。

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「オレンジエクスプレスって20年経ってもいまだに法政の愛称として使われてるんですよ。僕が1区、坪田さんが2区だったあの1回だけで、あとは全然エクスプレスじゃなかったのに」

 チームの存在を印象づけ、選手たちにより注目してもらうには、わかりやすい愛称が必要だ。

 埼玉県飯能市にある駿河台大のキャンパスの近くには航空自衛隊の入間基地があり、そこでブルーインパルスの航空ショーを見たとき、徳本は「これや!ブルーインパルスだ」と閃いた。ブルーは駿河台大のスクールカラーとも共通していたからだ。

 チームウェアをよく見ると、小さな戦闘機が集まり、大きな戦闘機を形作ろうとしているところが描かれている。

【次ページ】 「順位なんて知りません。弱いかもしれない」

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