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久保建英vsバルサがW杯イヤーのリーガ初戦… 年末の試合で見た「タケの身体の進化」と新星たちの奮起〈撮影者の視点〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/01/01 11:06
久保建英は2022年ファーストゲームでバルサと戦う
シャビの危惧が的中したかのように62分、63分と連続でエルチェがゴール。試合を振り出しに戻します。
2-2となった以降もアブデが積極的にサイドから攻撃を仕掛けますが、ゴールまではたどり着きませんでした。
劇的なゴール、17歳ガビが託されたもの
しかし85分、ガビがデンベレとのワンツーで抜け出すと、ノールックでマイナス気味にパス。 そこに交代で入ったニコが詰めて劇的な終了間際の逆転ゴールが生まれました。
ノールックでパスを出したために、対応したDFは前方に身体を投げ出しパスカットを試みていますが、そのDFの背中側をボールが抜けていくのが写真から見て取れます。
この局面での落ち着いた判断と85分走った後でもそれを実現させた技術にはびっくりさせられます。
劇的なゴールにチーム全体が喜びを爆発させます。
逆転後、シャビに呼び寄せられ指示を与えられる17歳のガビは、最後まで必死にボールに食らいつく姿が印象的でした。前述の技術だけでなく、とにかく相手の前に入ってボールを奪おうという気合が写真に映り込みます。
最後には足に痙攣を起こしているのか、ふくらはぎあたりを気にするそぶりも見せていましたが、その足元を写すと、右足のスパイクの紐は解けたままでした。一説によると靴紐を結ぶのが苦手なため、同年代のニコなどに結んもらったりしているようです。
3-2で勝利したバルサ。格下エルチェ相手に2点差を追いつかれた展開自体には厳しい批評もありますが、ドラマッチックな逆転劇にスタジアム全体が一体となり、盛り上がったことも間違いありませんでした。
アンダルシアの地で先発復帰した久保
そんなバルセロナでの撮影の翌日、早朝便でグラナダに移動しました。グラナダは、スペイン南部アンダルシア州にあり、世界遺産のアルハンブラ宮殿などが有名です。
14時開始のグラナダvsマジョルカ戦の行われるヌエボ・ロス・カルメネススタジアムでは、快晴のもと入念に散水が行われていました。
スタジアムには、マジョルカから駆けつけたというマジョルカファンも発見、カメラを向けると「タケー」と呼びかけてくれました。