「これからも自分の信じる道を進んでいきます」

　ここまでのストーリーを振り返ると宗は「自分の選択は間違っていなかった。『そのままでいいよ。自分の信じた道を進んでください』と、昔の自分に言いたいですね」と断言する。神奈川出身のプロ野球選手で、軟式野球部出身の野手がここまで活躍している例は他にほとんどないのではないだろうか。そういう意味でも、部活で頑張る野球少年たちに夢を与えた、偉業を残した1年だったと言えよう。

「もしあの時、軟式の野球部ではなく、強豪クラブチームに入っていたら、練習にもついて行けてなかっただろうし、凄い選手ばかりで心折れていたと思います。そしたら、横浜隼人にも入ってなかっただろうし、プロにも行けていなかったと思う。人生には選択がある。そこを自分でどう決めていくかで人生が決まる。これからも自分の信じる道を進んでいきます」

「これからも自分の信じる道を進んでいきます」 ©Nanae Suzuki

　プロ入りが決まった時、水谷監督から入団のお祝いにと、腕時計をもらった。

「感謝を忘れずに、1秒、1秒、努力の日々を刻んで欲しい」との願いが込められている。

「実は僕、腕時計はしない派なんです（笑）。でもちゃんと持ってますよ。ただ修理しないといけないので、そのまま飾ってあります」

　義理堅いようで、やっぱりお茶目。恩師の熱い願いまでも、自分色に変えてしまう。この先も愛されキャラであり続けながら自分を信じ、時を刻んでいって欲しい。