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「あなたが選ぶ最高の有馬記念」ベスト5発表! オグリキャップかトウカイテイオーか…わずか14票差の1位は?《1100人アンケート》
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by©Sports Graphic Number
posted2021/12/24 17:04
1993年の有馬記念、ナリタブライアンの兄としても知られる菊花賞馬ビワハヤヒデを、真っ向勝負で競り落としたトウカイテイオー。1年ぶりのレースとは思えない走りは“奇跡”と称えられた
2位 1990年 オグリキャップ 217票
2位に選ばれたのは、“芦毛の怪物”オグリキャップが有終の美を飾った1990年の有馬記念です。地方競馬の笠松でデビューし、1988年に中央競馬に移籍したオグリキャップは、同年の有馬記念でGI初制覇。タマモクロス、スーパークリーク、イナリワン、ヤエノムテキ、バンブーメモリーなどライバルにも恵まれ、バブル景気に沸く日本列島に競馬ブームを巻き起こしました。
デビュー以来一度も掲示板(5着以内)を外したことがなかったオグリキャップでしたが、1990年の天皇賞・秋で6着となり、続くジャパンカップでも11着と大敗。メディアや関係者から「オグリは終わった」と囁かれるなか、12月23日にラストランの有馬記念を迎えます。
アイドルホースの最後の勇姿を目に焼き付けようと、当日の中山競馬場には17万人を超える観衆が詰めかけました。オグリキャップは単勝5.5倍の4番人気。“応援馬券”が多く買われていたことを考えると、決して本命サイドとは言えない評価でした。
しかしオグリキャップは、その類まれな勝負根性を最後の最後に見せつけます。21歳の武豊騎手を背に好位で折り合うと、直線の入口で逃げるオサイチジョージをかわして先頭に。脚色は最後まで衰えず、内をすくったホワイトストーンと外から追い込むメジロライアンを抑え、見事に1着でゴール板を駆け抜けました。
「競馬場で生観戦していましたが、馬券を当てた、外したに関わらず、周りの見知らぬ人とハイタッチをしたあの瞬間は、忘れられない」(58歳・男性)
「競馬場で初めて見た有馬記念。オグリの走りに感動し、涙したことを覚えています。とにかく最高でした」(56歳・女性)
「あの感動は今でも忘れられません。このレースを観て競馬にのめり込むようになりました。好きな馬はたくさんいますが、愛した馬はオグリキャップただ1頭です」(57歳・男性)
「自分の生まれた年、父が何度も語ってくれたレースでした。涙なくして画面を見ることが出来ない、数少ないレースの一つだと思ってます」(31歳・男性)
「リアルタイムで見られなかったのが悔しい」(33歳・男性)
ウイニングランの最中、場内のファンからは「オ、グ、リ! オ、グ、リ!」の大合唱。また、実況を担当した大川和彦アナの「右手(実際には左手)を上げた武豊! オグリ1着! オグリ1着!」という名調子や、故・大川慶次郎さんの「(メジロ)ライアン! ライアン!」という声が中継に拾われたことも、広く知られているエピソードです。
「17万人のファンから沸き上がった“オグリコール”の大合唱は一生忘れられません」(67歳・男性)
「放送席にいた大川慶次郎さんの『ライアン』の声も微笑ましかった」(54歳・男性)
「オグリコールの中、武豊がガッツポーズをするシーンは日本競馬史上最高の名場面」(36歳・男性)
今回のアンケートでは惜しくも2位という結果になりましたが、1位とはわずか14票差。30年以上前のレースがこれだけ支持されていることからも、オグリキャップの絶大な人気が窺えます。