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「とにかくハッスルしてくれ」SR渋谷の新星マックス・ヒサタケがパワフルなダンクで首位争いを牽引中!
posted2021/12/18 11:00
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph by
B.LEAGUE
B1第9節が終わった12月6日の時点で、東地区は3チームが12勝4敗と同率で並んだ。この3チームは今シーズンまだ直接対決がなく、それまでの得失点差で順位がつけられているが、首位に立ったのが千葉ジェッツ、続く2位が川崎ブレイブサンダース、そして3位がサンロッカーズ渋谷だ。いずれも第10節は連勝を飾り、順位にも変動はなかった。
付け加えておくと、第9節終了時点で1ゲーム差につけていたアルバルク東京と宇都宮ブレックスは第10節にいずれも連敗を喫し、A東京に連勝した秋田ノーザンハピネッツと合わせた3チームは、先に挙げた上位3チームとの星の差が3つに開いた。
東地区上位3チームの中で今回注目するのはSR渋谷。開幕節で連敗するなど出遅れた感のあるA東京や宇都宮を尻目に、堂々と首位戦線に名乗りを上げているのは十分な出来と言っていいだろう。第2節から第4節までの3カードは全て1勝1敗だったが、その後は昨シーズンの下位チームとの対戦で9勝1敗とほぼ取りこぼすことなく、順調に白星を重ねてきた。ホームゲームが13試合と多く、そこで11勝を挙げているのも好成績に結びついている。
成績とは裏腹なSR渋谷のチーム内情
ただ、その星取りだけを見れば順調だが、SR渋谷は難しい局面に立たされてもきた。チームの絶対的得点源であるライアン・ケリーは、今シーズンの開幕戦となった10月2日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦に出場したのみで、その後腰椎椎間板ヘルニアを理由にインジュアリーリストに登録。加入4シーズン目を迎え、チームメートとの連係も熟成されたNBA経験者を欠くことが大きな痛手であることは言うまでもなく、SR渋谷は開幕早々に試練と向き合わなければならなかった。
10月30日に佐賀県で行われた第97回天皇杯・全日本総合バスケットボール選手権3次ラウンドでは、B3に今シーズン新規参入した長崎ヴェルカにアップセットされるという出来事もあった。長崎はジェフ・ギブスや狩俣昌也、昨シーズンまでSR渋谷でプレーした野口大介などB1経験者を8人も揃え、前評判が高かったことは事実。とはいえ、B1チームがB3チームに敗れた前例はなく、SR渋谷としては悔やんでも悔やみきれない敗戦だったに違いない。