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JリーグPRESSBACK NUMBER
9年ぶりのJ復帰・酒井宏樹31歳に聞く“欧州と日本の違いは?”「全く違うスポーツ」「その質問も禁止にして欲しいくらいです」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byAFLO
posted2021/12/18 17:05
今年夏にフランスから帰国した酒井宏樹。9年ぶりに戻ったJリーグをどう見ているのか?
「違いなんてもう、いっぱいありますよ。違う国なんですから。どっちがすごいすごくないという話をする時点で違うんじゃないかなと思いますけどね」
はい、その違いを知りたいのです、と食い下がる。
「僕が思うのは、日本のサッカーは洗練されたスポーツだなと思います。クリーンですし、向こうは戦いであり文化なのでそこの違いはあるのかな」
酒井はその違いを掘り下げてくれた。
欧州のサッカーは「生活であり仕事。単にスポーツじゃない」
「向こうでプレーしている人たちが感じている、“ここは絶対に勝たなくてはいけない”という感覚は(日本と)違いがあるかなと感じます。フランスや、ヨーロッパのトップレベルでやっている人たちの、その“絶対負けてはいけない”という意識と日本で感じるそれのレベルの差はあるなと。1試合にかける気持ちの幅が違う。本当に人生かけているっていうのは感じます。
その1試合でポジションを奪われることもあるし、そうすると生活が苦しくなったりもする。家族のことや来季の契約はどうなってしまうんだろうなんて思いながらプレーしている。僕はそうやってプレーしてきたから、そこは(日本は)どうかな? と疑問になる時もたまにありますね」
そして根本的な違いに言及した。
「やっぱりヨーロッパにいると、サッカーは生活であり仕事なんです。単にスポーツじゃないんですよね。結果がでなければ家族も親戚も養えなくなりますし、自分が良くなければ近くの国から若くていいライバルがすぐ来る。だから試合にかける思いは強かったなって思います。日本が低いというわけではないけれど、国民性や文化の違いはあるのでは」
確かに、ミスをすれば一族郎党が路頭に迷ってしまうが故の熱さや必死さをJリーグから感じることは難しい。
「定位置を確保できたのは確かにすごいことだったかも」
また、フランスの外国人枠で戦ってきた酒井だからこそ、日本の外国人枠の少なさを指摘する。