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このポスター、選手が作ったの? 異色の“デザイナー兼Vリーガー”が伝えるチームの魅力「バレーボール以外でも力になりたい」
posted2021/12/16 06:01
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Safilva Hokkaido
10月20日、北海道・札幌市内のバスターミナルに1枚のポスターが出現した。
黄色いユニフォーム姿の選手の写真に『GO BEYOND IMAGINE』の文字が目立つ。昨シーズンから男子バレーボールV.LEAGUEのディビジョン2に参戦する、サフィルヴァ北海道の試合日程を告げるポスターである。
この、目を引くデザインを手掛けたのは、有名デザイナーや大手代理店ではない。何を隠そう、サフィルヴァ北海道でプレーするアウトサイドヒッター・柳川大知(31歳)なのである。
「かっこよく作ろうということ、選手が目立つことを大前提として、いちばんこだわったのは『GO BEYOND IMAGINE』というコピーですね。当初から同じコピーをTシャツなどの公式グッズや、次の計画につなげる予定で、クラブの収益になることまでを視野に入れて考えました。あえてポスターではコピーを目立たせて、シーズン全体のチームイメージを統一させようと試みたんです。かっこいいだけではなく、機能性を持たせた結果です」
既存のチームポスターはリーグ戦の日程などを大きく入れるケースが多いが「実際のところ、日程を入れてもV.LEAGUEを知らない人はあまり見ないと思う」と柳川は分析する。特に2016年にバレーボール部門を発足させたばかりのサフィルヴァにとって、いちばん重要なのは本拠地・札幌で存在を知ってもらうことだ。
ユニフォームのディレクションも
柳川は現在、プレーヤーとしてサフィルヴァで活動をしつつ、フリーランスのデザイナーやプランナーとしても仕事の幅を広げている。サフィルヴァのポスターのほかには今シーズン、選手が着用しているユニフォームとジャージのディレクションを担当し、リーフレット、クラウドファンディングで使用されるTシャツ、個人のぼりのデザインも手掛けた。
デザイナー兼Vリーガーという異色の選手はいかにして生まれたのか。