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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
堂安律がPSVで得つつある信頼… 懐かしの“香川真司の元相棒”ゲッツェ、“89億円の価値”スペイン代表MFを撮って気づいたこと
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2021/12/15 17:05
今季はPSVで出場機会を得ている堂安律を撮った
チームメートからの信頼が感じられた場面とは
試合序盤を撮影しているとき、堂安がボールを呼び込むとそのタイミングで素直にボールが入ってくる場面が見受けられました。その流れから仲間からの信頼を感じられましたが、ソシエダがパスコースを切るようになるとなかなかボールに触れなくなってきました。
PSVの中盤でタクトを振るのは、かつてドルトムントで香川真司とコンビを組んでいたゲッツェです。最後に撮影した際よりスリムになっており、調子が良さそうでした。
その中で堂安はボックス外からドリブルで切り込み、ボックス内で勝負に出ましたが、相手にボールを突かれてしまいました。なお前半中盤から終盤にかけ、かなり雨脚が強くなってきました。
サイドから堂安とゲッツェがコンビネーションを試みますが、ソシエダも潰しにきます。この頃には、さらに強くなった雨が、かなり写真に写りこむようになってきました。豪雨の中で撮れるいつもと違った表情の写真は好きなのですが、この時期の雨中の撮影はかなり堪えます……。
試合は43分、ソシエダのキャプテン、オヤルザバルがPKで先制点を決めました。この夏はEUROとオリンピックにも出場し、市場価格も7000万ユーロ(約89億6000万円)と非常に上がっている24歳です。先制点にゴール裏席も盛り上がっていました。
前半終了間際、クロスに堂安が飛び込む場面がありましたが、シュートを放つことはできませんでした。
堂安は後半も引き続き、右サイドでプレーしていました。ボールこそ回ってくるものの、なかなか勝負を仕掛けられない。局面を変えようと中へと切り込んでいきましたが、決定的なパスは出せませんでした。
62分、オヤルザバルが2点目のゴールを決め、堂安は交代でピッチを後にすることに。ソシエダのエースフォワードである21歳、192cmのイサクも存在感十分。堂安はベンチに下がった後も真剣な表情でピッチを見つめていました。
結果を残したオヤルザバルに万雷の拍手
2点のビハインド、レッドカードで1人足りない状況の中、孤軍奮闘のゲッツェ。
FKを蹴るオヤルザバル。一方でPSVはボールを放り込んで空中戦に持ち込みます。試合のほとんどの時間が豪雨でしたが、ピッチには水たまり1つできず、素晴らしいピッチでした。
85分、お役御免でピッチを去るオヤルザバルにはスタンディングオベーションが起きていました。
アディショナルタイムに入った3点目の駄目押し点で、喜びを爆発させるGKレミロ。ゴールポストに口づけするシーンも印象的でした。
試合は3-0とソシエダが勝利し、グループ順位でPSVを逆転し、突破を決めました。PSVの選手たちは、駆けつけたサポーターに拍手で挨拶。今日2ゴールのオヤルザバルが、子供のサポーターにユニホームをプレゼントしていたのが印象的でした。<久保編に続く>