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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
《直撃インタビュー》巨人・原辰徳監督に聞く「なぜ9月に大失速?」「中5日ローテーションへの批判をどう思う?」
posted2021/12/14 11:03
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Sankei Shimbun
第1回は今季の敗因分析とシーズン後半に中5日で回した先発ローテーションへの考え、来季から投手チーフコーチとして投手陣を束ねることになった桑田真澄コーチへの期待などを本音で語る。
――苦しいシーズンでした。結果的にAクラスの3位は確保したものの、9月以降は大失速で借金1という最終成績。監督の中で今季を振り返った反省点はどこにあるでしょうか?
「まず我々は敗れたということを、私自身もスタッフ、選手もしっかり受け止めることが大事ですね。その中で率直に話せることを話そうと思います。そのことは了解してください。それで今季を振り返るとしたら、いつもそうなんですけど勝っているときは、シーズンというのは何となく過ぎてしまう。だけど負けたときというのは、自分の中で色んなことをやったな、と。ミーティングで話したことや、選手やコーチと個別に話したこと、あるいは掲げた方針であったり、とにかく色んなことをやったなという思いがシーズンを終えてもありますね。でも反省ってね……そう問われると、よく分からないね」
優勝争いする中でも「これはいかんなという思いが」
――敗因は何ですか?
「敗因という点では何せチーム打率(2割4分2厘、リーグ5位)、チーム得点(552得点、同4位)においても、チーム防御率(3.63、同4位)、チーム失点(541失点、同4位)に於いても、いずれも数字的には4位、5位ばかり。安打数(1137本)も5位ですからね。そういう数字、チーム成績だけでいくなら、よく9月に入ったあの時期まで優勝争いしていたなというのが、正直な思いでした。しかもそんな数字でも、一時期はトップに立ってもいた訳ですから。しかし僕の中では優勝争いをしている中でも、常にチーム状態については、これはいかんなという思いがありました。ずっとそう思っていましたね」
――いかんというのは?
「だって上位にはいるけどメンバーも揃っていないし、数字も良くない。このままでいくのかな、というのはずっと抱えながら戦っていた訳ですよ」
――チームに対する手応えを感じなかった……。
「そういう意味では今年はまったく強いとか、いけるという手応えを感じられなかったですね」
――その手応えのなさというのは、シーズンの最初からだったのですか?