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「『人間じゃない』って言われます」“香川の怪童”浅野翔吾(高松商)が171cmで飛距離を伸ばせるワケ《阪神ドラ1森木から3安打》

posted2021/12/08 17:02

 
「『人間じゃない』って言われます」“香川の怪童”浅野翔吾(高松商)が171cmで飛距離を伸ばせるワケ《阪神ドラ1森木から3安打》<Number Web> photograph by Takahiro Kikuchi

取材にこたえる“香川の怪童”浅野翔吾(高松商)。身長171cmで飛距離を伸ばせる理由とは

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菊地高弘

菊地高弘Takahiro Kikuchi

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Takahiro Kikuchi

 放物線が左中間フェンスの向こうへ溶けていく。

 その場にいた誰もが、明らかに次元の違う打球を見た瞬間に「ホームランだ」と確信したに違いない。打った本人は「当たり前」という風情でダイヤモンドを一周し、バックネット裏に陣取る保護者は歓喜しながらも、どこか「さすが浅野くん」と見慣れたような雰囲気があった。

 11月3日、大手前高松高校野球部グラウンドでの練習試合。高松商の浅野翔吾(2年生)が放ったこの日2本目、高校通算39号となるホームランだった。

浅野が“怪童”たる理由

 浅野は香川が生んだ怪童である。

 身長171センチ、体重86キロ。そのずんぐりとした体格は、「怪童」のイメージとはそぐわないかもしれない。だが、その口から語られるエピソードの数々は、怪童らしさにあふれていた。

 小学生時代にどれくらいホームランを打っていたかと聞くと、浅野は淀みない口調でこう答えた。

「4年生からホームランを打ち始めて、4年の時は24本、5年の時は26本、6年では45本でした」

 なぜ記憶しているかというと、年末に少年野球チーム内で本塁打数が発表されていたからだという。少年野球のため大部分がランニングホームランとはいえ、小学通算95本塁打は驚きの数字だ。ちなみに、野球を始めたのは小学3年からである。

 中学では軟式野球で通算55本塁打。本人によるとランニングホームランは「3本くらい」で、あとはすべてサク越え。侍ジャパンU-15代表にも選ばれている。

 小・中学合わせて150本もホームランを打っていれば、自然と周りから怪童扱いを受けるようになる。

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「期待してるよ」

「プロに行けるように頑張れ」

 大人からそんな声をかけられることも珍しくなかった。中学3年時には県外の名門私学から勧誘がきた。「まさか誘いがくるとは」と舞い上がる浅野に、父・幹司がこんな言葉をかけた。

「県外の高校に行ったら、お世話になった人が直接見に来られなくなるぞ。レグザムスタジアム(香川県営野球場)なら土日に来やすいし、応援してもらえる場所でやったほうがいいんじゃないか?」

【次ページ】 なぜ、身長171センチの体で飛距離を伸ばせるのか

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