牧が明かす“新人王への思い”

「うーん……。まあ、目指せるのは1年目しかないので。1年間やって、最後は獲れればいいかな……という思いでプレーしていました」

　牧の言葉からさほど熱を感じないのは、それ以上に求めていることがあるからだろう。牧はこんな思いも語っている。

「今年はスタンドで声を出せないなかでも、ファンが来てくださって盛り上がってくれました。来年はコロナも収まって、満員のハマスタでプレーしたいですね。今年は最下位だっただけに、来年はスタンドを沸かせたい、勝利を届けたいという思いが強いです。ファンの皆さんも一緒に勝ちにきてもらいたいです」

　牧は以前から「スタンドからの拍手で体から力がみなぎってくる」と口にしていた。歓声をエネルギーに換えられる牧が真価を発揮できる日は、来年以降にくるはずだ。

　来年は「新人らしからぬ」の枕詞は取れる。だが、牧は来年も変わらず淡々と、渋みをきかせながらヒットを積み上げていくような気がしてならない。

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