「1対0や2対0よりも5対2のほうが好き」

　最近は、圧倒的なまでにオフェンシブな布陣が話題を呼んでいる。

「攻撃的選手がみんな好調だから、もっと勇気を出してリスクにチャレンジしたい」

「1対0や2対0で勝つよりも、5対2のほうが好きなんだ。（チームの得点を）喜ぶのが好きなんだよ。すごく楽しいじゃないか。喜ぶ機会が多かったらそれだけ素敵なことだよ。それに、自分たちがボールを持って、オフェンシブに危険な仕掛けをしている間は、相手チームは決してゴールすることはできない」

　ナーゲルスマンは、自身の言葉そのままに、ロベルト・レバンドフスキのすぐ近くにレロイ・サネとトーマス・ミュラーを置き、キングスレー・コマンは右サイドへ、セルジュ・ニャブリを右ウイングバックのような位置で起用して攻撃に厚みをもたらす。さらには、左SBが本職のアルフォンソ・デイビスは、ほぼウイングのような高い位置から仕掛けさせている。

　サイドからの攻撃は破壊力抜群。ボランチのレオン・ゴレツカも、どんどんペナルティエリアに侵入していくので、相手は誰が誰を見ればいいか分からなくなってしまう。

　ナーゲルスマンが指揮するバイエルンで、誰よりもポジティブな変化を見せているのがサネだろう。

昨季は低調に終わったサネだが、今季はトップ下の位置で躍動する©Getty Images

サネの復調は不思議なことではない

　現在は、トップ下のような位置で躍動感あるプレーを見せている。昨シーズンのサネは得意だったドリブルが足につかず、パスは味方に届かずカットされるなど、いいところをまったく出せずに苦しんでいた。

　それだけに、「ナーゲルスマンはいったい何をしたんだ？」とファンも識者も驚いたが、新監督にとってサネの復調は不思議でもなんでもなかった。

「『彼に何をした？』とよく聞かれるけど、僕が何かしたことはないんだ。ポジションに要因はあるかもしれないけど、これは彼自身が成し遂げたことなんだよ」

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