11月2日に行われたCLグループステージ第4節のベンフィカ戦では1ゴール1アシスト。ヨシュア・キミッヒのループパスをデイビスが頭で落とし、スペースに入り込んだサネが左足ダイレクトボレーで決めたゴールは、コンビネーションと個々のスキルが見事に噛み合った素晴らしい一発だった。ナーゲルスマンも、サネのパフォーマンスにポジティブな評価を口にしている。

「今日も素晴らしいプレーを見せてくれた。極めてアクティブに動いていた。試合の間中ずっとボールが欲しいという気持ちを感じさせていて、ゴールもアシストも強力だった。センターよりのポジションだとボールに多く触れるし、ボールロスト時にはすぐゲーゲンプレスに行ける」

　これまで以上に攻撃的役割を担っているデイビスも、生き生きとしたプレーでチームに貢献している。一昨シーズンに左SBのレギュラーポジションを掴み、CLを始め3冠獲得に貢献したが、昨シーズンはパフォーマンスにムラがあった。

「新しいシステムは僕に合っていると思う。ピッチで僕の力を発揮することができるのは幸せなことだ」（デイビス）

　ナーゲルスマンも、「フォンシー（デイビス）は非常にいい成長を見せてくれている。まだまだものすごいポテンシャルを秘めている選手だ」と信頼を口にする。

デイビスはより高い位置でのプレーを求められ、持ち前の攻撃力をいかんなく発揮している©Getty Images

攻撃的な布陣がレバンドフスキに負担も

　攻撃的な選手を多く起用すればするほど攻撃力がアップするわけではないし、攻撃だけ機能すればいいというわけでもない。チーム全体のバランスがいびつなままでは長いシーズンを戦い切ることはできない。

　バイエルンが冷や水を浴びせられたのが、ドイツカップ2回戦のボルシアMG戦だ。

　試合開始から流れを掌握され、修正できないまま0-5で惨敗してしまった。この時期、新型コロナウイルス感染で14日間の隔離を余儀なくされていたナーゲルスマンは、テレビ越しに戦況を眺めることしかできなかった。

　ハーフタイムには暫定的に指揮を執ったコーチのディノ・トップミュラーと連絡を取ったが、直接メッセージを送れないもどかしさについて、後日次のようなコメントを残している。

「攻撃的プレーが好きだが、それは守備との連係があってのこと。しっかりとした構築がないといけない。1対0や2対0より5対2が好きだが、3対0のほうがもっと好きだ」

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