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【オークス】ユーバーレーベンに込められた“亡き岡田総帥の思い”とは ソダシの走りには“望ましくない力み”が?
posted2021/05/24 11:45
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
圧倒的1番人気に支持された「白いアイドル」はゴール前で馬群に沈んだ。それを尻目に樫の女王となったのは、「白い怪物」の孝行娘だった――。
第82回オークス(5月23日、東京芝2400m、3歳牝馬GI)で、ミルコ・デムーロが乗る3番人気のユーバーレーベン(父ゴールドシップ、美浦・手塚貴久厩舎)が優勝。競走馬時代、宝塚記念のゲート内が吠えて立ち上がるなどした芦毛の怪物ゴールドシップの産駒として、嬉しいGI初制覇を遂げた。
無敗の牝馬クラシック二冠制覇を狙った白毛のソダシは8着に敗れた。
2400m戦では望ましくない力み
晴れ渡った空と、綺麗な緑の芝。オークス当日の東京競馬場は、真っ白なソダシが主役となるのにふさわしい舞台になっていた。
しかし、速いスタートを切ったソダシの走りには、2400m戦では望ましくない力みが見られた。
先頭を奪いそうな勢いで先行し、鞍上の吉田隼人が手綱を引いても、指示に逆らって前に行こうとする。首を上げて折り合いを欠く、引っ掛かった走りになってしまった。
内からクールキャットがハナに立ち、外のステラリアが差のない2番手、それら2頭に挟まれるような形になったソダシが3番手で1コーナーへと入って行く。コーナーを回っているときも、吉田は重心を後ろにかけて制御しようとしたが、ソダシはどんどん前へ行こうとする。
2コーナーで、前を行くクールキャットとステラリアとの間のスペースが狭くなり、さらに内にククナがいたため行き場がなくなりそうになった。吉田はさらに手綱を引いて、ソダシを外に持ち出さざるを得なかった。折り合いを欠いたまま走るだけでもエネルギーをロスするのに、さらにここでも小さからぬロスが加わることになった。
こうした序盤のロスが、最後まで響いた。