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「三強すべて馬券外」「3連単339万円超」なぜエリザベス女王杯で大波乱が起きたのか? 主役となった10番人気アカイイトの“大胆戦術”
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/11/15 11:15
10番人気ながらエリザベス女王杯を制したアカイイトと幸英明
また、岡氏は、キズナを生産したノースヒルズの前田幸治代表にオーナーブリーダーとして師事している。
終わってみれば、赤い糸で結ばれた「絆(キズナ)馬券」だった。赤い糸をもう少し説明すると、アカイイトの幸は8枠のピンクの帽子、2着ステラリアの松山弘平は3枠の赤い帽子を被っていた。
「三強」はなぜ敗れたのか? ルメールのコメントは…
一方、前評判の高かった「三強」はなぜ敗れたのか。
クリストフ・ルメールが騎乗したレイパパレは、道中ずっと行きたがって折り合いを欠いていた。特に、向正面で自分の正面に馬がいなくなって前を見通せる状態になってしまい、余計に行きたがっていた。
さらに、ルメールがずっと引っ張っていた手綱を緩め、ここから存分にストライドを伸ばそうとしたラスト600m付近で他馬に触れたのか、躓いてしまった。いくつかの点でスムーズではなく、また、ルメールが「距離が長く、コントロールが難しかった」とコメントしたように、やはり、力を発揮できるのは2000m以下のようだ。
アカイトリノムスメも、道中やや行きたがっていた。展開が合わなかったこともあるが、こちらもレイパパレ同様、若干、距離が長かったのではないか。
ウインマリリンは直線でまったく伸びず、流すようにしてゴールした。中間に再発した肘の炎症の影響なのか、本調子ではなかったようだ。
今後の巻き返しに期待したい。