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日ハムスカウト部長が明かす“大谷翔平秘話”「突然の筋肉増量で栗山前監督がびっくり」「クリスマスイブも野球」 

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島沢優子

島沢優子Yuko Shimazawa

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photograph byNanae Suzuki

posted2021/11/19 11:03

日ハムスカウト部長が明かす“大谷翔平秘話”「突然の筋肉増量で栗山前監督がびっくり」「クリスマスイブも野球」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

リーグ最優秀選手(MVP)に選出された大谷翔平。01年のイチロー氏受賞以来10年ぶりの快挙となった

大渕 理屈では、温存するほうがリスクが少ないという点でいいかもしれない。一方で、ここでの究極の目標って何だろうと考えたとき、彼の場合は「楽しくやれるかどうか」が判断基準だったと思うんです。けがをしないことが目的なんじゃなくて、あるいは再起不能にならないことが目的でもない。じゃあ、その「楽しくやる」というのは、二刀流をやっている限り(投打)両方で全力を尽くせるということなんだろうと。

 だから、それができるかできないかっていう意味で、判断スピードが早かった。十分情報も集めたけれども、ほとんど即決してるような感じでした。非常に考えさせられましたね。

日でも米でも人から愛される「人たらしの素質」

――実際、今季のプレーを見ていると楽しそうですよね。

大渕 それ、皆さん言いますよね。少年野球で、子どもたちが顔をくしゃくしゃにしてワーって騒いでいるのと似てる感じがします。それに、アメリカの場合はチームメイトもみんなそんな感じですしね。自分たちが獲得した勝利とか、仲間が打った球に対して、全員が一緒になって歓喜します。見事に入り込む。たとえ大差で負けていてもあきらめず、雰囲気を盛り上げようとします。それが日本の場合は負けゲームになったりすると、なんとなく雰囲気がしれっとしてしまう。見習いたいところです。

――大谷のエンジョイ志向を、アメリカが後押ししてくれています。でも、ファイターズにもチーム統括本部長の吉村浩さん(デトロイト・タイガースGM補佐などを歴任)をはじめ、メジャーでスタッフを経験した職員の方は多いですよね。そういった方々からの影響を受けているのでは。

大渕 それは少なからずあると思います。もう、みんなが大谷を助けよう、手伝えることがあれば何でもしようとします。いい意味で人たらしというか……。

――心ある大人の心を掴むのが巧い?

大渕 巧いかもしれません。それはあざといとかではなく、大谷という男の持って生まれた人を引き付ける力というか、天性のものでしょうね。それプラス、彼の探究心や野球に対する姿勢に、みんなほだされてしまう。まあ、僕もそのひとりかもしれませんが(笑)。とにかく感心しちゃうことが多いんです。

プロデビュー1年目で見せた「驚異の探究心」

――例えば?

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