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酒井高徳30歳が問いかけるJリーグと欧州サッカーの“決定的な差”「Jのインテンシティは低い」「アンドレスは究極のレベルですよ」
posted2021/11/09 11:05
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
J.LEAGUE
やはりヨーロッパでプレーする経験は、選手を人間的に一回りも二回りも成長させるのだろう。
酒井高徳はハンブルガーSVという名門クラブでキャプテンを務め、クラブ史上初の2部落ちという試練を味わった。ボールを持つたびにブーイングを浴びせられ、人種差別とも取れるような扱いを受けた。
そういう体験をすると、日本的な「事なかれ主義」から解放されるのに違いない。自分が問題だと思ったことがあれば、堂々と口にする。
今年2月、酒井高徳はヴィッセル神戸の選手としてJリーグでプレーする身でありながら、NewsPicksのインタビューで「Jリーグ全体がやっているサッカーが、世界と比べられないイメージ。そもそも世界に向かっている感覚すらない」と問題提起した。
それ以降も、さまざまなインタビューで「Jリーグがヨーロッパに近づきたいなら、インテンシティを高くしなければならない」と訴え続けている。
いったいJリーグの何が問題なのか? サイドバックの人材難という問題を起点にして、日本サッカーに決定的に欠けている「インテンシティ」の本質を掘り下げたい。
◆◆◆
「Jリーグのインテンシティが低いことだと思います」
――インタビューの前編で、酒井高徳選手は「ポスト長友」問題の要因として起用する側の問題点を挙げました。その他に日本から突出したサイドバックが減った理由はなんでしょうか?
酒井 Jリーグだと思います。それはきっぱり言えると思います。
今、ヨーロッパの高いレベルで活躍する日本人サイドバックが減っているじゃないですか。その理由の1つは、Jリーグのインテンシティが低いことだと思います。
Jリーグはぎりぎりのところで相手より先に裏へ走り込んだりとか、ワンツーで裏を狙ったりせず、攻撃に時間をかけてしまう傾向があるリーグだと思うんですよ。
(GK以外の)すべてのポジションにおいて、ヨーロッパと比べてスプリント数が少ないリーグだと思います。
攻撃だけでなく、守備でもそう。海外ではどんどんボールを奪いに行きますが、Jリーグでは守備側がステイして待っている時間が多い。爆発的な力を持ってボールを奪いに行く、ということをあまりしないと感じています。
正確に言えば、それをしちゃダメなリーグ。守備側の選手間のスペースが広いので、それを一人でやってしまうと動きが単体になってはがされ、チームとして勝つことが難しくなる。
「Jリーグはサッカーがモダンになりすぎて…」
――瞬間的な爆発力とその耐久力が、全然違うわけですね。