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11年ぶりのFC東京、長友佑都35歳に聞く「Jリーグのレベルは上がった?」「欧州サッカーと日本サッカーの一番の“差”は?」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/10/31 11:06
FC東京に11年ぶりに復帰した長友佑都35歳。イタリア、トルコ、フランスで名門クラブを渡り歩いた。久々のJリーグのレベルをどう感じているのだろうか?
長友 一番の違いはやっぱりゴールに向かうスピード感。(Jリーグは)アタッキングゾーンに入るまでのポゼッションはうまい。だけど、そこからのスピードアップだとか、ゴールに向かうためのポゼッションをどれだけの選手がやっているかという部分では、ディフェンスをしていても欧州のほうが常に怖さを感じます。分かりやすく例えると、欧州はサッカーにプラスしてラグビーの要素がある。フィジカル面にプラスして常に前方向にアグレッシブに進んでいくっていう印象を僕は持っています。
選手のチョイスという部分でも、日本は(体が)強い選手よりうまい選手が優先的に選ばれる傾向にあって、逆に欧州は強い選手がチョイスされているのかなとは感じています。ただ監督によって好みは違うし、全部が全部っていうわけじゃないですよ。あくまで傾向として、僕が感じたこと。
――プレーにおける「欧州の基準」を、Jリーグに還元していくという役割も求められると思います。
長友 だからこそ日々のトレーニングでの激しさ、厳しさはチームメイトにも求めていきたいし、そういった環境をつくっていけたらなとは思います。僕自身も欧州の基準というものはしっかりと持っていたいし、(持ち味である)前に進んでいくアグレッシブなプレーは変わらずやっていかなきゃいけない。
「妻は本当に大変だったと思います」
――環境もガラリと変わると思います。11年間、ミラノ、イスタンブール、マルセイユと海外で生活してSNSでは3人の息子さんがいずれも違う都市で誕生したことを報告されています。今回、生活拠点を日本に移すことはプラスに働きそうですか?
長友 僕自身、かなり安心しています。コロナ禍のなかで僕が遠征に出て、3人の子供たちを妻が面倒を見るというのは相当に大変なことだったと思いますから。日本は(海外と比べても)安全に暮らせますし、僕も安心してサッカーという仕事に集中できるところはありますね。
――奥さまの平愛梨さんのインスタには「もうみんなが側に居るんだ‼と思うと嬉しすぎてホッとしたのか息が詰まるほど泣けました」とありました。