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ヤクルト高津“二軍監督”は予言していた「村上はとんでもない4番になる」3年前『高津プラン』に挙げた野手4人、投手4人の名前
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph bySankei Shimbun
posted2021/10/28 11:05
2年連続最下位から6年ぶりのリーグ優勝。胴上げされる高津臣吾監督
私が好きなエピソードは、二軍で先発投手の駒がひとりもいなくなった時の話だ。
スワローズは、2日間を6人のブルペン投手で回さなければならなくなった。そこで高津二軍監督が考えたのは、1人につき2日間で3イニングを投げさせることだった。初日に2イニング投げたら、2日目は1イニング。初日に1イニングだったら、2日目に2イニングというように。
監督は、先発起用で困った。
「正直、誰でも良かった」
この回答には笑ったが、解決策として採ったのが6人によるジャンケンだった。ブルペンが職場だった6人の投手たちは嬉々としてジャンケンをしたという。しかも、先発がいないこの2日間を、ヤクルトは1勝1敗で乗り切った。
こういう楽しさが高津野球にはある。
その雰囲気が、いまの一軍の野球にも感じられる。
今季の優勝で、高津監督が二軍時代に描いていた青写真が、実現したのである。
二軍のグラウンドがある埼玉・戸田で一緒に時間を過ごした選手たちと優勝を味わえて、高津監督は本当にうれしいはずだ。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。