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「軸とするのは星野さんの姿」立浪和義新監督は“弱竜”を変えられるか 山崎武司が必要と語る《2つの条件》とは 

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間淳

間淳Jun Aida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2021/10/30 11:02

「軸とするのは星野さんの姿」立浪和義新監督は“弱竜”を変えられるか 山崎武司が必要と語る《2つの条件》とは<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

現役時代の立浪和義氏。新監督として、低迷が続く中日を変えられるか

 今シーズンの中日はリーグトップの防御率を誇りながら、打線が援護できなかった。山崎さんもチームが低迷する最大の要因を「打者が育っていない」と指摘している。

 ただ、与田剛監督は若手にチャンスを与えなかったわけではない。高卒3年目の根尾昂や高卒2年目の岡林勇希をスタメンで起用するなど、チームの将来を担う野手を育てようとした。山崎さんも与田監督の意図を感じる一方、起用法については、こう話した。

「根尾が複数安打を打った翌日に……」

「根尾を含めて若い選手にアピールする場はつくっていた。ただ、選手の使い方が良くないと感じた。例えば、根尾は複数安打を放った翌日の試合で起用されない時が目立った。他の野手では、二軍から上げても何日もベンチに置いていたケースがあった。選手は一軍の壁に跳ね返されて二軍で課題を克服して、また一軍に挑戦する繰り返しで成長する。将来的にレギュラーで使いたいと思う選手の起用法が違えば、もう少し若手が機能したのではないか。中日には、いい選手はたくさんいる」

 そして、山崎さんは続けた。

「立浪は野手の起用法を考えてやるはず」

 立浪新監督は現役時代、1年目からショートのレギュラーを務めた。抜擢したのは星野仙一監督。しかも、チームの主力で前の年にショートでベスト9に選出された宇野勝さんをセカンドにコンバートするほどだった。

 立浪新監督はシーズン中盤まで、レギュラーにふさわしい活躍を見せた。だが、高卒1年目で長いシーズンを戦い抜く体力はなかった。けがも重なり、最終的には打率.223、4本塁打、18打点。それでも、星野監督は使い続けた。

「必ず将来はチームを背負う選手になる」

 覚悟と信念を貫く指揮官の期待に立浪新監督は結果で応える。プロ3年目に規定打席に到達して打率3割をクリア。2009年に引退するまで、通算2480安打を放ち、二塁打は歴代最多487本を記録する球界を代表する選手となった。チームの主力を育てる方法や難しさを現役時代に身を持って知っている。

結果を出すために必要な「2つのサポート」

 そうは言っても、名選手が名監督になれるとは限らない。立浪新監督が結果を出すためには、2つのサポートが必要だと山崎さんは考えている。

【次ページ】 コーチが監督のイエスマンになるな

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