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タイトルホルダーがセイウンスカイ以来23年ぶりの菊花賞逃げ切りV!「キタサンブラック級」の可能性を引き出した横山武史の“単騎逃げ”

posted2021/10/25 12:20

 
タイトルホルダーがセイウンスカイ以来23年ぶりの菊花賞逃げ切りV!「キタサンブラック級」の可能性を引き出した横山武史の“単騎逃げ”<Number Web> photograph by Photostud

菊花賞を逃げ切りで制したタイトルホルダーと横山武史

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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 とてつもない先行力は「キタサンブラック級」と言えるのではないか。

 クラシック三冠競走を締めくくる第82回菊花賞(10月24日、阪神芝内回り3000m、3歳GI)で、横山武史が騎乗するタイトルホルダー(牡、父ドゥラメンテ、美浦・栗田徹厩舎)が序盤からハナに立ち、5馬身差で優勝。自身にとっても、2カ月ほど前に世を去った父ドゥラメンテの産駒としても、初めてのGI制覇となった。

「今回は無理してでもハナにこだわっていました」

 横山に迷いはなかった。

 ゲートが開くと、手綱を強く押してタイトルホルダーに行くよう促した。

「いつも力みやすいというか、真面目すぎるところがあるのですが、1頭になって抜けてしまえばリラックスできるというのも弥生賞でわかっていたので、今回は無理してでもハナにこだわっていました」

 長距離戦でこれほど押して行くシーンは珍しい。スタート直後に下り坂のある京都の芝3000mなら掛かっていたかもしれないが、タイトルホルダーは横山の指示以上に行きたがろうとはしなかった。

 結果的に、ゲートから1ハロンほど、向正面の半ば過ぎで単騎逃げの形に持ち込んだ時点で、勝負は決したと言えよう。

 1周目の3、4コーナーで後続との差をじわっとひろげながら直線へ。

 最初の1000mは1分ちょうど。長距離戦にしては、平均よりやや速い、淀みのない流れになった。

「(ペースを)落とせるならもうひとつ(少し)落としてもいいのかなと思いましたが、馬もやる気でしたし、馬とケンカしてまでペースを落とすくらいなら、リズムよく運んだほうがいいと思いました」

【次ページ】 父・典弘とセイウンスカイ以来23年ぶりの…

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