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タイトルホルダーがセイウンスカイ以来23年ぶりの菊花賞逃げ切りV!「キタサンブラック級」の可能性を引き出した横山武史の“単騎逃げ”
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/10/25 12:20
菊花賞を逃げ切りで制したタイトルホルダーと横山武史
それにしても強かった。逃げた馬は減速しながらゴールすることが多いのだが、タイトルホルダーは、追い込んできた馬たちと同じように、伸びながらゴールしていた。
キタサンブラックのような「最強」の可能性も感じさせた
1984年のグレード制導入以降、5馬身以上の差で菊花賞を勝ったのは、1988年スーパークリーク、1993年ビワハヤヒデ、1994年ナリタブライアン、2013年エピファネイアと2021年のタイトルホルダーだけ。先輩たちは、みな、菊花賞のあとにもGIを勝っている。なお、セイウンスカイは3馬身半差の勝利だった。
キタサンブラックのように、ついて来る馬たちをバテさせるラップで逃げて、そのまま押し切る「最強」の形で、中・長距離界に君臨する可能性も感じさせた。
冒頭に記したように、父ドゥラメンテは今年8月31日に急死している。その初年度産駒であるタイトルホルダーが、骨折のため菊花賞に出走できなかった父の無念を晴らす形となった。
2着のオーソクレースは2周目の向正面でクリストフ・ルメールが早めに仕掛けて追い上げてきたが、及ばなかった。大外枠でなければもう少し差は縮まっていただろうが、今回に関しては、勝ち切るところまでは行かなかったと思われる。
3着のディヴァインラヴは、直線入口ではひょっとしたら思わせる伸びを見せた。グレード制導入以降、菊花賞における牝馬の最高着順を記録した。