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スケボー堀米雄斗22歳の素顔は“愛されキャラ”…2人の“アメリカの母“らが明かす「ユウトはなんかズルい」「彼はスゴい量を食べる」
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byYoshiyuki Matsumura
posted2021/10/22 18:20
Number最新号では堀米雄斗の住むロサンゼルスでの密着撮影&インタビューを行った。現地取材で見えた堀米の素顔とは?
『きちんと雄斗のことを紹介したわけでもなかったのに、ありがとうってめっちゃ言われたんだ。あの人ギャングスターみたいな顔してるけど、ああいう気遣いのできる男になった方がいいよ』
そう伝えた30秒後、堀米が言った。
「徹也さん、ベン・ボーラー紹介してくれてありがとうございます」
そういう男になったら?と提案したすぐ後に、その通りに言ってくる。しかもアドバイスをしたその人に向かって。
「もうなんなんでしょうか?」
堀米「荷物4つも積んだらダメですよね?」
仲がいいがゆえに岡部さんが面白おかしく話しているところもあるのだろうが、映像やコンテストで見せるキリッとした表情と普段の姿にはかなりのギャップがある。集中と散漫の切り替えは意図的なものなのか。スイッチがオフのときはもう伸び切った輪ゴムのように弛緩しきっている。
「ホントにそうです。自分が好きと思ったことにはすごいんですよ。やりたいと思ったことは200%の力でできる。それ以外は……結構できない」
と困ったように言いながらも岡部さんは温かい笑みを浮かべるのだった。
東京オリンピックに向けてロスの自宅から出発するときもそうだった。岡部さんが迎えに行くと、モヤっと準備はできている。しかし、あくまでモヤっとした準備だ。
「これ、荷物4つも積んだらダメですよね?」
「いや、もっとまとめればいいじゃない」
というやり取りがあって、岡部さんが荷物をコンパクトにまとめ直してあげて空港へ向かった。そうやって東京で金メダルを取った。
「昭和の子みたいだ」
それでも、ただ手のかかる人間や迷惑を撒き散らすだけの人間であれば、これほど周りに手厚くサポートしてもらうことはできないだろう。堀米の父・亮太さんも言っていた。
「雄斗は小さい頃から周りの大人にかわいがられていました。『昭和の子みたいだ』って言われてね」
果たしてその“愛され“の裏にあるものは何なのか。それを考えていくと結局は“愛”に行き着くのかもしれない。今号のインタビューで堀米が語っていたスケートボードへの愛情である。
岡部さんも「本当にスケートボードはLOVEなんですよね」と揺るがぬその部分をまず真っ先に認めている。
「最初は結構人見知りなんですよ。でもスケートの話をしていると、ふっとスムーズに話し始める。オリンピック前も身体検査だなんだでLAの病院に行く必要があって、どれだけ時間が割かれても必ず1日2時間は滑っていました」
さらにこう付け加えた。