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《現役引退》「ヨシノブの姿が被ってしょうがない」2019年の亀井善行は“チームに勇気を与える”トップバッターだった 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNanae Suzuki

posted2021/10/21 12:00

《現役引退》「ヨシノブの姿が被ってしょうがない」2019年の亀井善行は“チームに勇気を与える”トップバッターだった<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

“いぶし銀”のリードオフマンとして2019年のリーグ優勝に貢献した亀井善行。原監督の信頼が厚いからこその1番起用だった

「亀ちゃんはしっかりと仕事を」

 プレーボールがかかっていきなり打席に向かう1番は、準備の時間も少なく、リズムを作るのが難しい打順で、嫌がる選手も多い。

 高橋も後に「1番は好きではなかった」と語っている。

「でも僕は5番を打つより、いまは1番を打たせてもらって良かったかなと思っています。あれだけ得点圏打率が低かったから(笑)。1番で役割を果たせることでチームの力になれますから」

 亀井が本格的に1番に起用されだしたのは5月26日の東京ドームでの広島戦からだった。その試合で3打数2安打1四球を記録してチームも5-4で1点差勝ち。その後は1番で先発した31試合でチームは21勝10敗と首位独走への道を一気に突き進みだしている。

「亀ちゃんはね。しっかりと仕事を果たしてくれている。何より彼が1番で出塁し、相手投手にしっかりと球数を投げさせる姿からチームは勢いというか、勇気をもらっている」

 こう評したのは原監督だ。

「チームに勇気を与えるトップバッター」――ベテランに差し掛かった選手が必死になってチームの先頭に立つ姿に、チームは勇気をもらう。

 タイプは違うかもしれないが、まさにそこが亀井に2007年のヨシノブが被って見える理由なのだろう。

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