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大谷翔平の本音「ファンも雰囲気も好き。ただ…」“両リーグDH制”移行で大谷争奪戦はさらに激化? エンゼルスの策は…
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2021/10/18 11:00
すでに今シーズンの戦いを終えている大谷翔平。MVP、そして来シーズンの行方も注目だ
選手ではなく、数字の専門家を引き抜く発想も
ポストシーズンの戦い真っ只中、思うことも多い。公式戦ではア・リーグ最多の100勝を記録したタンパベイ・レイズが地区シリーズでワイルドカードから勝ち上がった92勝のボストン・レッドソックスに敗れた。短期決戦の難しさではあるが、レイズはチーム総年俸が30球団中26位の8300万ドル(約94億3千万円)で2年連続ア・リーグ最高勝率をマークした。強さの背景には単価の高い選手には見向きもせず、適材適所に人材を登用するマネージメント力、アイビーリーグ卒業の分析を専門とする秀才を揃えたフロント組織などがある。個人的には野球とは、選手個々が磨いた技術をもとに脳みそを使い、状況に応じたベストプレーを実践するものだと考えているが、レイズやジャイアンツの成功例を見てもわかる通り、選手に投資するだけで勝ち抜けるほど今の野球は単純ではない。
来季、エンゼルスが絶対に負けられないと挑むシーズンならば、レイズやジャイアンツの成功を導き出した数字の専門家を引き抜いてみるのも一手だろう。そんな発想があってもいいのではないか。たとえ10人と契約しても、必要な資金はフリーエージェントの選手1人にも満たないし、贅沢税の対象となる選手総年俸にも絡まない。なりふり構わず勝つ姿勢を見せることが大谷翔平残留交渉成功の一端にも繋がると思うこの頃である。