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大谷翔平の本音「ファンも雰囲気も好き。ただ…」“両リーグDH制”移行で大谷争奪戦はさらに激化? エンゼルスの策は…

posted2021/10/18 11:00

 
大谷翔平の本音「ファンも雰囲気も好き。ただ…」“両リーグDH制”移行で大谷争奪戦はさらに激化? エンゼルスの策は…<Number Web> photograph by Getty Images

すでに今シーズンの戦いを終えている大谷翔平。MVP、そして来シーズンの行方も注目だ

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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「なおエ」

 今季、大谷翔平の大躍進とは対照的なエンゼルスの低迷にネット上ではこの言葉が流行した。投打走に渡る大谷の歴史的パフォーマンスを伝えた後に「なお、エンゼルスは敗退した」と報じるものを省略した俗語だ。今季の成績は77勝85敗で地区4位。6年連続で負け越した。

 9月26日。大谷が今季最終登板後に残した言葉の意味は重かった。

「ファンも好き、球団自体の雰囲気も好き。ただそれ以上に勝ちたいという気持ちの方が強い。プレーヤーとしてはその方が正しいんじゃないかなと思っています」

 捉え方は人それぞれと感じるが、ポストシーズン進出可能な強豪チームへの移籍志願と受け取った方もいれば、来季へ向けたチームの大補強を訴えた、と捉える方もいるだろう。いずれにしろ、限りがあり、決して長くはないのが選手生命。投打に於いてメジャー屈指のパフォーマンスを見せた大谷が“勝てるチームでプレーしたい”と思うのはごく自然な流れだ。逆にこの気持ちを抱かない方が疑問とさえ感じる。

“両リーグDH制移行”で大谷移籍の選択肢も増える?

 エンゼルスは14年を最後にポストシーズン進出から遠ざかっている。来季は是が非でも勝たなければいけないシーズン。それには多くの理由もある。

 現行の労使協定は12月1日に失効する。ストライキ回避に向け、オーナー側と選手会側は8月から話し合いを行なっている。協議項目の詳細は他に譲るが、双方がすんなりと合意するだろうと推測されているのが「ユニバーサル(両リーグ)DH制」への移行だ。

 既にコロナ禍の中で行われた60試合制の20年シーズンで実行された背景もあり、関係者は「かなりの確率でユニバーサルDH制は実現する」と語っている。だが、これはエンゼルスにとっては脅威としか言えない背景もある。

「DH&先発投手」の起用法がナ・リーグでも出来るようになることは、大谷の移籍の選択肢が増えることに直結する。だから、米メディアは既にこんな報道もしている。

『エンゼルスがこのオフの補強に失敗すれば、大谷はドジャースにさらわれるだけだ』

【次ページ】 “責任重大”なエンゼルスの補強プランとは?

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